◎地域便り


岡山県 ●たい肥センターを中核とする耕畜連携の確立を目指した経営研修会の開催

岡山県/荒金 知宏


 岡山県、中国四国農政局、財団法人畜産環境整備機構は、平成18年8月10日(木)奈義町において、たい肥センターを中核とした耕畜連携の確立を図ることを目的にたい肥センターの強化のあり方と耕畜連携に基づいた、たい肥の利活用について検討を行う「たい肥センター経営研修会(現地研修)」を開催した。参加者は中国四国地域の行政機関、農業協同組合、研究機関など約70名であった。

 研修会では午前中、岡山県下最大級の施設でたい肥生産を行う「奈義有機センター」において、同センターの管理運営を担うJA勝英営農生活部畜産事業所の芦田圭介所長よりたい肥の生産、販売など経営の取り組み状況について説明があった。続いてたい肥を積極的に活用し飼料用イネの栽培を行っている長尾隆大氏のほ場で、飼料用イネの栽培や化学肥料・農薬の使用を抑えた栽培管理技術などについて長尾氏本人より説明があった。それぞれの現地研修場所では、説明に対する活発な質疑応答が交わされた。

 午後からは、有限会社鹿野ファーム代表取締役佐武克也氏が「有限会社による稲わら・たい肥交換システムと地域振興」と題して、講演し、有限会社が実施する鹿野地域のたい肥流通と稲わら交換事例など、循環型農業に根ざした経営の一端を紹介した。

 その後、中国四国農政局の平尾畜産課長を座長とし、パネラーには現地説明者2名と講演者および岡山県畜産協会の大村昌治郎調査役が加わった4名で、地域における資源循環の中核施設としてのたい肥センターの役割や耕種農家の求めるたい肥についてパネルディスカッションが行われた。活発な討論の中では、耕種農家の作目により価格や原材料などについて求めるたい肥は異なり、今後のたい肥の利活用促進のためには、耕種農家のニーズに合致したたい肥を供給すると共に、畜産農家側が生産するたい肥についても積極的にセールスしていく必要がある事などの共通認識が得られた。また、パネルディスカッションの最中には耕種農家がストックヤードの設置やたい肥散布機を整備することの重要性についての意見も得られ、今後、耕種農家と畜産農家の連携によるたい肥の利活用を推進することが必要であると参加者の再認識が得られた。


現地研修:飼料用イネ栽培ほ場

パネルディスカッションの様子



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