◎地域便り


大分県 ●ふれあいフェスタ2006が畜産試験場創立100周年に合わせて開催

調査情報部


 九州のくじゅう連山の主峰である久住山のふもとにある大分県農林水産研究センター畜産試験場は平成18年8月20日、創立100周年記念式典と合わせて「ふれあいフェスタ2006」を開催した。大分県は地域活性化のための一村一品運動の先駆けであり、中でも豊後牛はその代表的な産品の一つであるが、その豊後牛振興の中核的な役割を果たしているのが同試験場である。

 同試験場は、明治39年に大分県種畜場として創設され、戦前は馬と和牛の改良繁殖を行う拠点であったが、昭和43年以降は県内の肉用牛、乳用牛および草地に関する試験研究や研修などの業務を実施している。平成10年には全国3番目となる黒毛和種の体細胞クローン牛が誕生している。

 ふれあいフェスタは、平成10年から毎年実施されているが、これは創立90周年を記念して平成9年に場内の一画(100ヘクタール)に「ふれあい牧場」が開設されたことから開始されたものである。ふれあい牧場は、生産現場と消費者の交流拠点として楽しく遊びながら学べる場所として、レストハウスやアスレチック遊具が設置されるとともに、自然遊歩道も整備されており、牧区で牛が放牧されているのを見ながら散策が楽しめるようになっている。

 創立100周年記念式典では石川大分県副知事のあいさつの後、県内の種雄牛作出に貢献した育種改良組合などに対して感謝状が贈呈されるとともに、放送大学京都学習センター宮崎昭所長が「肉用牛の時代がやってくる」と題して記念講演が行われ、畜産関係者約100名が参加した。

 当日は、小雨がぱらつくあいにくの空模様にもかかわらず、家族連れや関係者など約800名が訪れた。牛、ウサギ、ニワトリなどの家畜とのふれあいや乳搾り体験、バター作り体験、ふれあいボーリング、動物ウルトラ〇×クイズやロールにアート(ロールベールの落書きコーナー)では親子連れで楽しむ光景が見られた。また、特設テントでは、−196度の液体窒素を使った学習、パネルや実物による研究成果の展示が行われた。さらに、豊後牛のバーベキューや豊のしゃもの炭火焼など大分県のブランド畜産物に舌鼓を打ちながら楽しむ家族連れでにぎわった。


ふれあい家畜コーナーでは子どもたちが大はしゃぎ

搾乳体験ができる乳用牛の牛舎まではトラクターで移動


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