トピックス

●●●平成19年度畜産物行政価格決定●●●

 平成19年度の畜産物行政価格は、農林水産大臣の諮問を受けて、食料・農業・農村政策審議会畜産部会で審議され、3月8日付けで答申および建議がなされ、以下のとおり決定した。

表1 加工原料乳生産者補給金単価および限度数量



表2 指定食肉の安定価格


表3 指定肉用子牛の保証基準価格および合理化目標価格



●●●POS情報、1月の豪州産牛肉購買数量は前年同月比7.0%増●●●

 当機構調べによる平成19年1月の牛肉小売価格(特売価格、ばら)は、和牛が100グラム当たり517円(1.4%)、国産牛同367円(5.8%)、豪州産同206円(1.0%)となり、いずれも上昇傾向で推移している(図1)。その中で、POS情報によるレジ通過客千人当たりの牛肉購買数量は、昨年夏以降、和牛が前年同月を下回って推移しているのに対し、国産牛と豪州産の購買数量は前年同月を上回って推移している(図2)。1月の同牛肉購買数量を見ると、前年同月を7.8%上回る15.6キログラムとなった。種類別に見ると、和牛が同2.3キログラム(▲9.6%)とかなり大きく減少したものの、国産牛が同2.9キログラム(17.6%)、豪州産が10.3キログラム(10.0%)となり、国産牛、豪州産ともにかなり大きく増加した。量販店などにおいて、相対的に価格帯の低い国産牛や豪州産牛肉に販売の重点を置いていることがうかがえる。

図1 牛肉の部位別種類別小売価格の推移

資料:農畜産業振興機構調べ

図2 種類別購買数量(POS情報)の推移(対前年同月比)

注:購買数量は、レジ通過1,000人当たりの購買数量である。
巻末資料3(3)参照。
資料:農畜産業振興機構調べ



●●●中国からのソーセージ輸入量、急増●●●

 財務省「貿易統計」による、平成18年のソーセージ(関税分類番号1601.00.000)の輸入量は、40,695トンとなり、前年を7,000トン(20.8%)上回った。17年についても前年を1,500トン(17.0%)上回っており、輸入量が急増している。

 輸入増加の要因は、16年度以降、豚肉加工品原料となる国内の下級部位価格が堅調に推移し、また、国際的に豚肉流通形態の変化などで輸入品価格が上昇したことなどからソーセージなどの加工品は、原材料の手当から加工品自体を輸入する傾向にある。

 ソーセージの輸入先を国別にみると、中国が2万7千トン(輸入量シェア65%)とトップで、次いで米国の6千トン(同15%)、カナダの4千トン(同6%)と続き、中国からの輸入量は過半数を占めた。また中国からの輸入量は前年を44%上回って推移しており急増している。

 さらに、量は少ないもののタイ、ブラジル、ニュージーランドからの輸入量は前年に比べそれぞれ、1.8倍、2倍、5倍と増加傾向にある。

 18年の主要輸入国のCIF価格をみると、中国産の輸入コストは1キログラム当たり391円、米国同472円、カナダ同474円、デンマーク同410円、タイ同458円となっている。人件費が安く、日本向けの仕様に対応できる中国、タイなどからのソーセージ輸入は今後も増加傾向で推移するものと見込まれている。

図3 ソーセージの国別輸入量


資料:財務省「貿易統計」


●●●鳥インフルエンザ発生に伴う小売店舗における不適切表示は全国で0.7%●●●

 平成19年1月13日の宮崎県下での高病原性鳥インフルエンザの発生確認を受け、農林水産省消費・安全局は、全国の小売店舗を対象に「鳥インフルエンザ発生に伴う小売店舗における鶏卵・鶏肉の不適切な表示に関する調査」を定期的に実施し、公表した。

 19年3月1日現在、「第7報」として2月末日までの状況が公表されたので紹介する。

 調査店舗数は全国で46,701件、うち不適切な表示が確認された件数は343件(0.7%)で、中でも九州地方が119件と最も多かった。

 不適切な表示の事例としては、「発生場所と離れた場所で生産しているのでご安心してご購入下さい。」、「今回発生した鶏農場との取引はしておりません。」、「当社で販売している卵は、鳥インフルエンザの感染がない○○県産の卵です。」など特定の地域から生産された鶏肉・鶏卵を取り扱っていない旨を表示した事例であった。

 これら不適切表示に対し、撤去、修正などを要請した結果、拒否や対応中となる店舗は0件であった。

 なお、3月1日0時をもって、今回発生した高病原性鳥インフルエンザの全ての発生地域における移動制限区域が解除された。

図4 小売店舗調査の状況

農林水産省消費・安全局 表示・規格課


●●●平成17年の酪農経営の農業所得は前年比6.1%減●●●

 農林水産省が公表した平成17年個別経営の営農類型別経営統計によると、酪農経営農家(全国)1戸当たりの農業所得は752万6千円(▲6.1%)となった。

 農業粗収益は3,468万6千円で前年比0.1%増と前年並みとなったものの、農業経営費は同2.0%増加し、2,716万円となった。農業粗収益について農林水産省は、乳価の下落により生乳収入が減少したものの、自家生産乳牛収入(自家で生産した育成・肥育乳牛および交雑種牛の販売収入)が増加したため、前年の水準が維持されたとの見方を示している。17年の一戸当たりの生乳生産量は、同1.1%増の306トンとなったが、農業粗収益における畜産収入3,171万円(0.2%)のうち生乳収入は、2,581万5千円となっており、同0.4%減少している。

 図5で農業経営費の内訳を見ると、全体の43%を占める飼料費が1,146万4千円(1.1%)、14%を占める動物費は、乳牛の取得価格上昇の影響を受け381万7千円(6.3%)となり、ともに前年と比べ増加した。また、原油価格が上昇したことから、光熱動力費も前年比7.6%増の116万9千円となった。

図5 酪農経営農業経営費の内訳


資料:農林水産省「農業経営統計調査」


●●●18年の鶏卵生産量、前年と同水準●●●

 農林水産省「鶏卵流通統計」によると平成18年(7〜12月)の鶏卵生産量は、1,263,470トン(1.0%)となり、18年累計は2,496,648トンとなった。これは前年の生産量を約15,000トン上回る生産量であった(図6)。

 鶏卵の年間生産量は、近年250万トンをベースに推移していたが、16年以降はそのベースをわずかに下回り、横ばい傾向にある。

 17年6月には、茨城県を中心に関東で、19年1月には宮崎、岡山県で高病原性鳥インフルエンザが発生し、家畜伝染病予防法に基づく防疫措置が採られたが、17年と18年の地域別生産量を比較すると、生産量の減少が見られたのは、関東と沖縄地域であり、その度合いはごくわずかであった。

図6 鶏卵生産量の推移


資料:農林水産省「鶏卵流通統計」、「畜産物流通統計」

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