◎調査・報告


牛乳・乳製品の消費動向に関する 調査

社団法人日本酪農乳業協会


はじめに

 本調査は、当協会の前身の一つである(社)全国牛乳普及協会が1987年に牛乳・乳製品の消費動向に関する調査を始めてから、今回で20回目となり、牛乳・乳製品に関する購入実態、飲用実態、牛乳・乳製品に関する意識・知識などを時系列で把握してきた。

 今回の2006年度調査は、白もの牛乳類の飲用量減少の背景を探ることを念頭におき、牛乳・乳製品の消費拡大のための資料を得ることを目的とした。

調査方法 
 留置併用訪問面接法
調査対象者 
 全国13歳以上の男女個人6,000人設定
調査期間 
 2006年6月1日(木)〜6月19日(月)


1 白もの牛乳類の飲用実態

(1)白もの牛乳類の飲用頻度
〜白もの牛乳類を毎日飲む人は4割弱〜

 飲み方を問わず飲む頻度をきいたところ、毎日飲む人は38%となり、週に5〜6日飲む人を合わせると、13歳以上の人の5割近くがほぼ毎日飲んでいるが、2005年に比べ、ほぼ毎日飲用する人の割合は2ポイントほど低下している。(図1)

図1 白もの牛乳類の飲用頻度(時系列)

 また、ほぼ毎日飲む人の割合は、男女とも中学生では8割程度と高く、逆に男性の30代40代や女性の20代では4割前後と低くなっている。

 2006年の特徴としては、過去19年10%前後で推移してきた「全く飲まない」人が14%弱と急に増加したことである。

(2)1日あたりの白もの牛乳類の飲用量
〜1日あたりの平均飲用量は男性中学生では増加の傾向〜

 13歳以上の人のうち最も多く飲用しているのは男性中学生で平均339ミリリットル、次いで女性中学生が247ミリリットル、中学生を除く男性10代が218ミリリットルとなっている。

 この3年間の変化をみると、男性中学生の飲用量が増加傾向にあるのに対し、中学生を除く男性10代では減少傾向が続いている。また、女性の飲用量が減少したことにより全体での飲用量は微減している。(図2)

 (ここにあげる飲用量は、本調査の飲用頻度・飲用量に関する質問の回答より算出した値である。)

図2 1日あたりの白もの牛乳類の平均飲用量(性・年齢別)

(3)白もの牛乳類の飲み方
〜「他のものと混ぜて飲む」飲み方は飲用量の3割〜

 白もの牛乳類の飲み方は、「そのまま飲む」飲み方で「毎日飲む」人の割合は25%、「他のものと混ぜて飲む」飲み方で「毎日飲む」人の割合は18%となっている。

 飲用量の飲み方別の割合は、「そのまま飲む」飲み方が6割強、「他のものと混ぜて飲む」飲み方が3割で、この3年間で著しい変化はみられない。(図3)

図3 白もの牛乳類の飲み方別割合<飲用者ベース:時系列>

(4)白もの牛乳類の飲用シーン
〜飲用シーンは「のどがかわいたとき」と「朝食をとりながら」が4割〜

 白もの牛乳類を飲むシーンで多いのは、「のどがかわいたとき」「朝食をとりながら」「おやつや間食時」で4割前後となっている。

 2005年と比較して顕著な変化はみられないが、2002年との比較ではほとんどのシーンで低下しており、特に「風呂上がり」「のどがかわいたとき」といったいわゆる「止渇機能」での低下が顕著である。(図4)

図4 白もの牛乳類の飲用シーン(MA)<飲用者ベース:時系列>

(5)白もの牛乳類の飲用理由
〜「カルシウム」「栄養」「健康によい」が牛乳飲用の3大理由〜

 白もの牛乳類を飲む理由で最も多いのは「カルシウムがあるから」で、次いで「栄養があるから」「健康によいから」が多くなっているが、いずれも2002年と比較すると低下している。

 2002年、2005年と比較すると、「他のものと混ぜたり、他のものにかけたりするため」という理由が増加している傾向がみられる。(図5)

図5 白もの牛乳類を飲む理由(MA)<飲用者ベース:時系列>


2 白もの牛乳類飲用量の変化に関する意識

(1)この1年間の飲み方別飲用量の変化
〜牛乳を飲む量が「減った」と感じる人は1割強〜

 この1年間に、そのまま飲む量が「増えた」と答えた人が 9%、「減った」と答えた人が16%、一方、混ぜて飲む量は「増えた」と答えた人が11%、「減った」と答えた人が9%となっており、そのまま飲む場合は「増えた」人が「減った」人を下回っているが、混ぜて飲む場合は「増えた」人が「減った」人を上回って推移している。全体の飲用量については、「増えた」と答えた人が12%、「減った」と答えた人が13%となっており、2004〜2006年の推移を見ると「増えた」人と「減った」人の差が開いてきている。(図6)

図6 この1年間の白もの牛乳類の飲用量の増減(時系列)

 (2)この1年間に飲む量が減った理由
〜この1年間に白もの牛乳類を飲む量が減った理由のトップは「他の飲み物を飲むので牛乳を飲む機会がない」〜

 この1年間に白もの牛乳類を飲む量が減った理由は、「他の飲み物を飲むので牛乳を飲む機会がないから」が4割で最も多くなっている。次いで、「お腹がゴロゴロするから」「下痢をすることがあるから」「家に置いていないから」が1割強で続いている。
 2005年と比べると、「太ると思うから」「においが嫌いだから」「牛乳のイメージがよくないから」といった理由が2ポイントほど増加しているのが目立つ。(図7)

図7 白もの牛乳類の飲用量が減った理由(MA) <飲用量が減ったと感じる人ベース>


3 白もの牛乳類の購入実態

〜白もの牛乳類を週に2〜3回くらい買う人が4割〜
 白もの牛乳類をほぼ毎日買う人は15%で、週に2〜3回くらい買うという人が39%を占めている。
 2000年以降、「週に1回くらい」以上の購入頻度の人が減少している。(図8)
 

図8 白もの牛乳類を購入する頻度(時系列)


4 乳製品の飲食実態と意識

(1)ヨーグルトの飲食頻度とタイプ
〜ヨーグルトを毎日飲食する人は2割弱〜

 ヨーグルトの飲食頻度は、「毎日食べたり飲んだりする」が16%で、「週に1〜2日」以上ヨーグルトを食べたり飲んだりする人の割合は54%となっている。(図9)

図9 日頃、ヨーグルトを飲食する頻度(時系列)

 2005年と比較すると、ヨーグルトを「週に1〜2日」以上飲食する人の割合は4ポイント強低下していて、タイプ別では、「プレーンヨーグルト」や「果肉フルーツ入りのヨーグルト」を食べる人が4〜5ポイント減少している。(図10)

図10 飲食するヨーグルトのタイプ(MA)<ヨーグルト飲食者ベース>

(2)1日あたりのヨーグルトの飲食量
〜ヨーグルトの飲食量が多いのは女性の中学生と50代60代〜

 13歳以上の人のうちヨーグルトを最も多く飲食しているのは女性中学生で、1日当たりの平均飲食量は58グラムである。女性の50代、60代も平均50グラム以上と多くなっている。(図11)

図11 性・年齢別一日あたりのヨーグルトの平均飲食量

 2005年に比べ、女性中学生の飲食量が増えたのに対し、男性中学生の飲食量は減っている。

 (ここにあげる飲食量は、本調査の飲食頻度・飲食量に関する質問の回答より算出した値である。)


5 いろいろな飲み物と牛乳

〜ふだんよく飲む飲み物は「無糖のお茶飲料」「コーヒー」に次いで「牛乳」〜
 ふだんよく飲む飲み物をいくつでもあげてもらったところ、最も多いのは「無糖のお茶飲料」の7割強であった。次いで、「コーヒー」が6割強、「白もの牛乳類」が5割で続いている。

 ふだんよく飲む飲み物の中から最もよく飲むものをひとつだけ選んでもらった結果では、「無糖のお茶飲料」4割、「コーヒー」2割強、「白もの牛乳類」1割強となった。
2002年、2005年は「白もの牛乳類」と並んでいた「コーヒー」が、今回は「白もの牛乳類」を上回る結果となった。(図12) 

図12 13種類の飲み物の中でよく飲むもの 普段よく飲む(MA)/最もよく飲む(SA)


6(参考)白もの牛乳類の1人1日当たりの消費量(推計)

 ここにあげる消費量は、白もの牛乳類の生産量(牛乳・加工乳・乳飲料の合計)を推計して、総人口(各年10月現在住民基本台帳人口)で割ることにより算出した値である。男女比は2005年まで本調査結果を反映した。(図13)

図13 1人1日あたりの白もの牛乳類消費量の変化(時系列)


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