◎地域便り


熊本県 ●あか牛から学ぶ!(小学校とのかかわり)

熊本県畜産協会/川ア 広通


 熊本県畜産協会では明日の日本を支える子供たちの健全な心と身体を培うための一助になればということで、平成16年度から学校教育の現場で牛を通して「いのちの大切さ」を学ぶ学習に協力している。

 対象学校は熊本市の中心部に位置し、市の食肉センターも近い、明治初期に設立され創立130年を迎えた歴史と伝統のある熊本市立本荘小学校である。ここでは3年生を対象に「牛のいのちのつながり」というテーマで総合的な学習を一昨年から継続的に実施しており、今年で3年目になった。

 この学習は牛や牛を飼っている人たち、牛の命と向き合って仕事をしている人たちと触れ合う活動を通じて、命の尊さを感じ、命を大切にしようとする心と態度を育てることを目的に実施されている。

 今回の活動内容は、学校としては今年で3回目ということで、4年生、5年生の先輩たちが学んできたことを踏まえて、牛の基礎知識を学校で勉強した。阿蘇の放牧地に出かけて、本県の代表的な肉用牛「あか牛」とじかに触れ合うことで、放牧地の役割や命の大切さなどを学習した。この牧場学習の後、あか牛繁殖肥育一貫経営農家との体験交流や食肉センター、食肉加工店などでも訪問学習を実施した。

 昨年までの2年間は当協会の事業などで協力したが、今年はこの取り組みに関心をもった地元のテレビ局の支援も受けて行った。すべての学習活動はテレビ局の取材対象になり、その様子は2月末に人気帯番組の特集コーナーとして熊本県全域に放映されることになった。

 去る1月31日には今年度の学習を整理して『お肉パーティ』を開催した。学校菜園で育てた野菜とあか牛の牛肉を使って牛丼とみそ汁を保護者といっしょに作った。おいしく食べることで子供たちの命に感謝する気持ちが畜産農家に伝わっていくと思われた。



放牧地学習会
(牧野の役割と牛のぬくもりを感じる子供たち)


畜産農家体験交流会
(家族の一員あか牛とふれあう)


お肉パーティ
(牛丼とみそ汁作り)

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