◎調査・報告


消費者の外食・中食における国産食肉需要動向調査

財団法人 外食産業総合調査研究センター


はじめに

 本調査は、財団法人 日本食肉消費総合センターの委託により調査した「消費者の外食・中食における国産食肉需要動向調査」をとりまとめたものである。平成18年7月、米国産牛肉の輸入が解禁され半年余りが過ぎたが、消費者の牛肉への関心は、一部では牛丼の販売再開を歓迎する状況は見られるものの、外食、弁当・総菜等業者の中には模様眺めといった状況も見られる。
 
 そこで本年調査は、消費者の食を通じて、牛肉など食肉への選択行動がどのように変化しているか、消費者の認識などを把握することを目的に実施した。本稿では、昼食・夕食における外食・中食行動に関する項目を中心に報告する。


1.消費者アンケート調査計画の概要

 消費者アンケート調査は、マイボイスコム株式会社の関東圏在住のモニター会員を対象とした。回答モニター数900人を想定し、男女別、年齢別、世帯属性別のモニターの準備を進め、過去の歩留まり実績から900サンプルの回収が見込めるモニター(おおむね2,250名)にあらかじめ協力依頼を行った上で、マイボイスコム株式会社のウェブにモニターのみがアクセスできるコーナーを設け、平成19年1月18〜22日の5日間で実施した。実際にアンケートを実施した結果、設計段階の回答数(900サンプル)を上回る925サンプルから回答が得られた。

 回答者の内訳は、男性が464名(50.2%)、女性が461名(49.8%)、年齢別には、20代が184名(19.9%)、30代が230名(24.9%)、40代が231名(25.0%)、50代が186名(20.1%)、60代以上が94名(10.2%)であった。

 また、単身世帯と非単身世帯の内訳は、前者が367名(39.7%)、後者が558名(60.3%)職業別では、会社員・自営業・専門職・公務員(以下「会社員等」という。)が471名(50.9%)と最も多く、パート・アルバイトが187名(20.2%)、専業主婦が100名(10.8%)、会社などを定年退職した方を中心に無職・その他が93名(10.1%)、残りが学生74名(8.0%)の内訳となった。


2.昼食での外食行動

 昼食での外食行動について、総括的に見ると、男性では「週1〜2回」外食店舗を利用し、「ラーメン店」、「牛丼店」、「そば・うどん店」などをよく利用している。利用時の1食当たりの平均金額は、最も多い回答が「500〜599円」であった。女性では、「月2〜3回」外食店舗を利用し、「西洋料理店」、「ハンバーガー店」、「日本料理店」などをよく利用している。利用時の1食当たりの平均金額は、最も多い回答が「1,000〜1,499円」であった。(図1、2)

図1 昼食でよく利用する外食店舗(複数回答)


図2 昼食での外食店舗利用時の1食当たり平均金額


 昼食での弁当類の購入については、男女とも「ほとんど利用しない」人が多いが、利用する人について見ると、男性では「月2〜3回」昼食時に弁当類を購入し、「コンビニ店舗」、「弁当専門店」などをよく利用している。利用時の1食当たりの平均金額は最も多い回答が「500〜599円」であった。女性では、利用する人について見ると、「週1〜2回」昼食時に弁当類を購入し、男性と同じく「コンビニ店舗」、「弁当専門店」などをよく利用している。利用時の1食当たりの平均金額も同じ「500〜599円」が最も多い回答である。(図3、4)

図3 よく利用する弁当類の購入店舗(複数回答)




図4 昼食での弁当類購入時の1食当たり平均金額

 昼食で外食店舗を利用したり、弁当類を購入したりするときの副食等について、男性では、副食で最も多く注文(購入)するのが「肉類を使用した料理」で、肉の種類としては「鶏肉を使用した料理」を選んでいることが多い。また、肉類の個別メニューでは「鶏の唐揚げ」、「とんかつ」、「豚肉の生姜焼き」が好まれている。注文するときは、「価格」、「ボリューム感」をポイントに選んでいる。女性について見ると、副食については、「野菜類を使用した料理」が多く、肉類を注文するときは「鶏肉を使用した料理」が多くなっている。個別メニューでは、「鶏の唐揚げ」、「ビーフハンバーグステーキ」、「豚肉の生姜焼き」が好まれ、注文するときは「価格」、「栄養のバランス」に配慮して選択している。(図5)

図5 昼食で注文することが多い肉料理(複数回答)


3.日常的な夕食での行動

 夕食での外食行動について、総括的に見ると、男性では「月2〜3回」外食店舗を利用し、「日本料理店」、「西洋料理店」、「ラーメン店」などをよく利用している。利用時の1食当たりの平均金額は「1,000〜1,499円」が最も多い回答である。店舗利用の選択基準は「メニュー価格の手頃さ」、「好きなメニューがある」、「勤務先や自宅の最寄り」である。

 女性では、「月2〜3回」外食店舗を利用し、「西洋料理店」、「日本料理店」、「すし店」、などをよく利用している。利用時の1食当たりの平均金額は、男性と同じ「1,000〜1,499」が最も多い回答である。利用店舗の選択基準は男性と同じである。(図6、7)

図6 夕食でよく利用する外食店舗(複数回答)




図7 夕食での外食店舗利用時の1食当たり平均金額


 夕食での弁当類の購入については、男女とも「ほとんど利用しない」人が多く、利用する人について見ると、男性では「年に数回程度」夕食時に弁当類を購入し、「コンビニ店舗」、「弁当専門店」などをよく利用している。購入時の1食当たりの平均金額は「500〜599円」が最も多い回答である。利用するときは「勤務先や自宅の最寄り」で店舗を選択している。女性では、利用する人について見ると、男性と同じ「年に数回程度」夕食時に弁当類を購入し、「スーパーの惣菜コーナー」、「コンビニ店舗」などをよく利用している。利用時の1食当たりの平均金額も男性と同じ「500〜599円」が最も多い回答である。店舗選択基準も男性と同じである。(図8、9)

図8 夕食での弁当類の購入店舗(複数回答)




図9 夕食での弁当類購入時の1食当たり平均金額


 夕食で外食店舗を利用したり、弁当類を購入したりするときの副食について、男性では、副食で最も多いのが「肉類を使用した料理」、肉の種類としては「豚肉を使用した料理」を選んでいることが多い。また、肉類の個別メニューでは「鶏の唐揚げ」、「とんかつ」、「ビーフハンバーグステーキ」が好まれている。注文するときは、「価格」、「ボリューム感」をポイントに選んでいる。女性について見ると、副食については、「バランス良く注文」しており、「肉類を使用した料理」を注文するときは「豚肉を使用した料理」が多くなっている。個別メニューでは男性と同じで、「鶏の唐揚げ」、「とんかつ」、「ビーフハンバーグステーキ」で、注文するときは「価格」、「栄養のバランス」に配慮して選択している。(図10)

図10 夕食での外食時に購入頻度が多い肉料理(複数回答)


4.総菜の購買行動

 総菜の購入について、総括的に見ると、男性では「ほとんど購入しない」人が多いが、購入する人について見ると、購入食数「1食分」を「週1〜2回」総菜を購入し、「スーパーの総菜コーナー」、「コンビニ店舗」などをよく利用している。購入時の平均金額は「500円未満」が最も多い回答である。購入する料理は「野菜類を使用した料理」が多いが、肉類を使用した料理を購入するときは「鶏肉を使用した料理」が多くなっており。女性では、購入食数「1食分」を「週1〜2回」購入する人が最も多く、「スーパーの総菜コーナー」、「デパートの食品コーナー」などをよく利用している。利用時の平均金額は男性と同じ「500円未満」が最も多い回答である。購入する料理や肉類についても男性と同じである。(図11、12)

図11 総菜購入時の利用店舗(複数回答)


図12 総菜購入時の平均金額


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