牛乳をもっと飲もう
酪農学園大学短期大学部 |
消費者の望む牛乳とは 果たして消費者はどんな牛乳を望んでいるのか?酪農大生・一般市民それぞれ70名を対象とした調査(2006年10月)では、一般市民は「おいしい低脂肪牛乳」と「安全な牛乳」への要望が強く、学生の場合はさらに、「後味がすっきりした牛乳」、「一本で一日に必要なカルシウムが摂取できる牛乳」、「運動後に飲める牛乳」といった要望が加わった。 食生活における牛乳摂取の現状ここ数年の牛乳の消費量(前出調査)は、学生の30%が「減った」と答えており、その理由の大半が「学校給食がなくなって飲む機会がないから牛乳をもっと飲もう牛乳の消費拡大対策は現在のところ思うような成果は得られていない。今後、牛乳の消費拡大を推進していく中で、牛乳は優れた食品であるということをもっと一般消費者の身近にあるマスメディア(タウン情報誌など)を介して啓発する必要があると考える。さらに、周知の牛乳の良さに加え、少し違う視点から牛乳の良さをアピールしてはいかがだろうか。若い女性の中にはダイエットのために牛乳を摂取しないケースもみられるが、牛乳は飲んでも太らないばかりか、牛乳を多く飲んでいるグループの方が、牛乳を飲まないあるいは牛乳摂取の少ないグループより体脂肪率が低いとの報告があり、「牛乳を飲むと太る」という誤解を解くには有効である。また、よしき皮膚科クリニック銀座の吉木伸子院長が、12週間、3-A-Day(牛乳・ヨーグルト・チーズをどれでも自由に1日3回または3品摂取)を実践した人と実践していない人の肌の状態を比較して、牛乳・乳製品の肌への効果について報告しているが、その摂取効果について驚くほど良い結果が示されたという。正しい知識が得られる本がベストセラーになれば牛乳消費の応援団としてとても心強いものである。また、牛乳は優れた栄養素を総合的に得られるにもかかわらず安価な食品であることを考え合わせれば、高価なサプリメントに頼る必要性もなくなる。牛乳をもっと食べよう3-A-Dayを実現可能なものにするため、その一回分を料理に使うことを提案する。普段のみそ汁に牛乳を加えるだけのミルクみそ汁や仕上げの調味液に牛乳を使ったおこわ、出し汁の代わりに牛乳を使って仕上げるうの花や茶碗蒸し、あるいはサバや里芋のみそ煮に牛乳を加えるなどは、和風料理にも牛乳の相性の良いことが分かってもらえる使い方だと思う。これらの料理については本学の実習で実施しているが、学生からは、おいしいので牛乳嫌いでも食べられると思うとのコメントもあった。このように牛乳・乳製品を料理にもどんどん活用して、本来とは一味違った味わいを楽しみながら健康に毎日を過ごしていただきたいと考える。 |
プロフィール 酪農学園大学短期大学部准教授 |
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