◎調査・報告


牛乳乳製品の消費動向に関する調査
−2007年度調査結果の概要−

社団法人日本酪農乳業協会

1.はじめに

 本調査は、当協会の前身の一つである社団法人全国牛乳普及協会が、1987年に調査を開始し、今年で21回目の調査となる。毎年全国の消費者に対し調査を実施し、牛乳・乳製品に関する購入実態、飲用実態、牛乳・乳製品に関する意識・知識などを時系列で把握してきた。今回の2007年度調査は、基本項目の調査に加え、牛乳・乳製品の料理への利用実態、飲用量減退についての認識を調査することなどにより、牛乳・乳製品の消費拡大のための資料を得ることを目的とする。

(1)調査方法
 留置併用訪問面接法

(2)調査対象者
 全国13歳以上の男女個人(回収:3,486人)

(3)調査期間
 2007年6月1日(金)〜6月18日(月)


2.白もの牛乳類の飲用実態

(1)白もの牛乳類の飲用頻度
 
〜白もの牛乳類を毎日飲む人は4割弱〜

 飲み方を問わず飲む頻度をきいたところ、毎日飲む人は39%となり、週に5〜6日飲む人を合わせると13歳以上の人の5割近くがほぼ毎日飲んでいる(図1)。ほぼ毎日飲用する人の割合は2006年同様の水準で、2000年以降の減少傾向に変化は見られなかった。

図1 白もの牛乳類の飲用頻度

 また、ほぼ毎日飲む人の割合は男女とも中学生では7割強と高く、逆に、男性の20〜40代、女性の中学生を除く10代では3割台と低くなっている。

 それまで10%台であった「全く飲まない」人の割合は、2006年に14%に増加し、2007年は13%で大きな変化は見られなかった。

(2)1日当たりの白もの牛乳類の飲用量
 
〜1日の飲用量が800ミリリットルを超える層が、中学男子大きく減少か〜

 白もの牛乳類の1日当たりの飲用量(注)は、男性、女性および全体において、この3年間大きな変化は見られない。しかし、年代別に見ると、前年比で女性では20代、30代、50代、および70代以上と多くの世代で増加しているが、男性では50代、70代以上の年代で増加しているものの、ほかの年代では総じて減少している(図2)。

図2 1日当たりの白もの牛乳類の平均飲用量(性・年齢別)

 その中でも前年度増加を示した中学生が、男性、女性とも大幅に減少している。この要因については、本調査の結果のみでは十分な分析が難しいことから、改めて必要な調査を実施し要因を解析することが必要である。

(注)白もの牛乳類の1日当たりの飲用量は、本調査の白もの牛乳類の飲用頻度と白もの牛乳類を飲むときの1日に飲む量の回答から、飲用量を算出し、母数には非飲用者も含めて算出した平均量である。


(3)白もの牛乳類の飲み方
 
〜「他のものと混ぜて飲む」飲み方は飲用量の3割強〜

 白もの牛乳類の飲み方は、「そのまま飲む」飲み方では「毎日飲む」人の割合は25%、「他のものと混ぜて飲む」飲み方では「毎日飲む」人の割合は17%となっている(図3)。

図3 白もの牛乳類の飲み方別割合<飲用者ベース>

 また、「そのまま飲む」飲み方では、「全く飲まない」人の割合は19%、「他のものと混ぜて飲む」飲み方では「全く飲まない」人の割合は33%で、2006年との比較でともに微増となった。

 飲用量の飲み方別の割合は、「そのまま飲む」飲み方が6割強、「コーヒーなどに入れて飲む」「ジュースなどを入れて飲む」などの「他のものと混ぜて飲む」飲み方は3割強で、この3年間で著しい変化は見られない。

(4)白もの牛乳類の飲用シーン
 
〜飲用シーンのトップは「朝食をとりながら」が43%〜

 白もの牛乳類を飲むシーンで多いのは、「朝食をとりながら」「のどがかわいたとき」「おやつや間食時」でそれぞれ4割前後となっている(図4)。

図4 白もの牛乳類の飲用シーン(複数回答)<飲用者ベース>

 2007年の特徴は、これまで飲用シーンのトップであった「のどがかわいたとき」が「朝食をとりながら」と入れ替わったことである。2006年との比較では、ほとんどのシーンで低下している中、「朝食をとりながら」が増加した。

(5)白もの牛乳類の飲用理由
 
〜「カルシウム」「栄養」「健康によい」が牛乳飲用の三大理由〜

 白もの牛乳類を飲む理由で最も多いのは「カルシウムがあるから」で、次いで「栄養があるから」「健康によいから」が多く、この結果は、2002年から継続している(図5)。2006年と比較するといずれも6〜9ポイント減少し、「カルシウムがあるから」48%、「栄養があるから」39%、「健康によいから」34%となっている。

図5 白もの牛乳類を飲む理由(複数回答)<飲用者ベース>

 2006年と比べると、設問のほとんどの飲用理由で低下が見られるが、「水などのかわりに」「習慣で」が微増となっている。


3.白もの牛乳類飲用量の変化に関する意識

〜牛乳を飲む量が「減った」と感じる人が増加〜

 この1年間に、そのまま飲む量が「増えた」と答えた人が8%、「減った」と答えた人が16%、一方、混ぜて飲む量は「増えた」と答えた人が10%、「減った」と答えた人が12%となっており、いずれの飲み方でも「減った」人が「増えた」人を上回っている(図6)。全体の飲用量についても、2007年は「増えた」と答えた人が10%、「減った」と答えた人が14%となっており、2006年の「増えた」人と「減った」人の差を上回った。

図6 (1)この1年間の白もの牛乳類の飲用量の増減

 今後の飲用意向については、全体では、「とても飲みたい」「まあ飲みたい」を合わせると65%、「全く飲みたくない」「飲みたくない」を合わせると15%となっている。この1年間に飲用量が減少した人でも「飲みたい」は5割強となったものの、「飲みたくない」は17%で、全体の割合よりもやや高めとなった。


4.白もの牛乳類の飲用を阻害する要因

 〜牛乳を飲まない理由は「牛乳以外に飲みたい飲み物が増えた」が4割強〜

 飲用量が減少あるいはもともと飲まない理由では、「牛乳を飲むとお腹の調子が悪くなる」があてはまる人が最も多く3割強、食生活の変化に関する理由では「牛乳以外に飲みたい飲み物が増えた」が最も多く4割強となっている。(図7)

図7 (1)飲用量減少・非飲用理由

5.白もの牛乳類を使った料理の実態

 〜白もの牛乳類を使った料理の1カ月の実施率および回数がアップ〜

 調査時点の1カ月間に、白もの牛乳類を使って料理をした人は30%、料理の回数は平均4.3回、牛乳の使用量は平均432ミリリットルとなった。

 調査時点を含む1カ月間に白もの牛乳類を使って料理をした人がどんな料理を作ったかを見ると、「シチュー」が全体の約5割と最も多く、次いで「ホットケーキ」が全体の3割となった。(図8)

図8 この1カ月の白もの牛乳を使った料理


6.いろいろな飲み物と牛乳

 〜普段よく飲む飲み物は「無糖のお茶飲料」「コーヒー」に次いで「牛乳」〜

 普段よく飲む飲み物をいくつでもあげてもらったところ、最も多いのは「無糖のお茶飲料」の7割強であった。次いで、「コーヒー」が6割強、「白もの牛乳類」が5割強で続いる。(図9)

図9 14種類の飲み物の中でよく飲む物

 普段よく飲む飲み物の中から最もよく飲むものを一つだけ選んでもらった結果では、「無糖のお茶飲料」4割強、「コーヒー」2割強、「白もの牛乳類」1割強となっている。

 2007年の特徴として、2006年に比べ、「ミネラルウォーター」と「野菜ジュース」が増加している。

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