需給動向 海外 |
鶏肉調製品の輸出量・輸出先が増加
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鶏肉生産量は好調に推移タイ農業・協同組合省(MOAC)によると、2008年3月のブロイラー生産量は前年同月比4.7%増の約7千5百万羽となった。ブロイラー生産量は、2007年1月以降は7千万羽台を維持しており、同年7月以降はおおむね7千5百万羽前後で推移している。また、生産量は2006年6月以降、総じて微増傾向が続いていることから、第1四半期(2008年1〜3月)については前年同期比5.1%増の約2億2千5百万羽となった。 また、3月のひなふ化羽数は前年同月比4.7%増の約7千8百万羽となり、2007年3月以降は前年を上回って推移している。ひな価格については、2007年3月以降上昇傾向に転じ、同年8月以降は1羽当たり14バーツ(約46円:1バーツ=3.3円)前後で推移している。2008年1月と2月については前月の価格を下回ったが、3月のひな価格は1羽当たり同105.6%高の15.3バーツ(約50円)となった。 3月の卸売価格(生体)は同26.8%高のキログラム当たり39.9バーツ(約132円)となり、2007年3月以降前年を上回って推移している。 タイ国内で食肉販売価格が上昇しているが、同国最大の総合食品企業であるチャロン・ポカパン・フーズ社(Charoen Pokphand Foods PCL)は5月14日、2008年第1四半期の売上高が前年同期比16%増の338億6千4百万バーツ(約1,117億5千万円)になったと発表した。同社によれば、2007年第1四半期は11億3千5百万バーツ(約37億4千万円)の損失を計上したが、今期は4億5千百万バーツ(14億9千万円)の利益を計上したとしている。同社は、今期売上高のうち国内事業による割合は85%としており、食肉製品の国内販売価格の上昇と飼養効率の改善が利益計上の主な理由としているが、大豆かすや魚粉などの飼料原料価格の上昇傾向が続いていることが懸念材料としている。 第1四半期の鶏肉調製品輸出量は大幅に増加3月の鶏肉調製品の輸出量は、前年同月比20.7%増の約2万8千トンとなった。主な輸出先国別でみると、日本は同7.4%増の約1万1千トン、英国は同14.7%増の約8千トン、オランダは同114.6%増の約3千トンとなった。 第1四半期の輸出量は約8万4千トンとなり、前年同期の実績約6万2千トンを35%上回った。国別実績は、日本が同23.1%増の約3万3千トン、イギリスは同19.3%増の約2万4千トン、オランダは同130.4%増の約1万トンとなった。国別シェアは、日本向けが全体の39.6%、英国向けが28.7%、オランダ向けが12.5%となっており、この上位3カ国向け輸出数量は昨年より増加しているものの、全体の輸出数量が増加しているためシェアについては低下している。日本とEU向け輸出量が全体の9割を占める状況は昨年と変わらないが、第1四半期における輸出実績国数は25カ国となっており、輸出先は前年同期より7カ国増加している。日本とEU以外では、シンガポール向けが同57.3%増の約2千3百トン、韓国向けが同50.5%増の約1千8百トンとなっている。また、シンガポール以外の東南アジア諸国向けでは、ベトナムが310トン、ミャンマーが77トンとなっているほか、昨年輸出が再開されたアラブ首長国連邦には約48トンが輸出されており、昨年の輸出実績16トンを既に上回る量が輸出されている。 ひなふ化羽数とひな価格 鶏肉調製品国別輸出量(2008年) 2007年の鶏飼養羽数は前年比53.6%増加MOACは2007年の鶏およびアヒルの飼養羽数を公表した。それによれば、鶏の飼養羽数は前年比53.6%増の2億8千3百万羽、アヒルは同19.7%増の2千5百万羽となった。鶏の地域別飼養羽数をみると、首都バンコクを含む中央部が1億5千百万羽で全体の54%を占めており、東北部が7千百万羽で25%、北部が4千万羽で14%、南部が2千百万羽で7%となっている。 タイにおける鶏の飼養羽数は、高病原性鳥インフルエンザが発生した2004年に前年比28.9%減の1億8千万羽となり、その後、飼養羽数は増減を繰り返している。アヒルの飼養羽数も2004年に同34.3%減の1千6百万羽となり、鶏と同様に2006年には同3.2%減の2千百万羽となっている。また、鶏のうちブロイラーの飼養羽数は約6割を占めており、インテグレーターの飼養比率は約9割となっている。 地域別鶏飼養羽数推移 |
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