需給動向 国内 |
牛枝肉卸売価格(東京市場)の省令価格が下落傾向で推移している。省令価格は、前年同月を17カ月連続で下回り、4月にはキログラム当たり1,150円(前年同月比5.2%安)となった。規格別に4月の価格を見ると、去勢和牛のA―5や豪州産の輸入量減少からひき材として需要が高まっていると思われる乳用種めす牛のC−1、C−2を除いては、全体的に弱含みでの推移となり、国産牛として店頭に並ぶ交雑種去勢牛や乳用種去勢牛は軒並み下落した。交雑種去勢牛は、B−3が同1,285円(同6.8%安)、B−2が同1,100円(同5.6%安)、乳用種去勢牛はB−3が同863円(同11.0%安)、B−2が同814円(同1.0%安)となった。東京市場の牛枝肉卸売価格は、5月も全般的に前年同月を下回る水準が続いており、省令価格(速報)は、1,090円(同9.2%安)となっている。 一方、当機構調べによる小売価格(特売価格)は強保合で推移している。POS情報による食肉小売動向を見ると、牛肉の購買量のうち約5割をばらが占めるが、和牛、国産牛(和牛以外)ともに4月のばらの小売価格(特売価格)は、和牛が100グラム当たり579円(同13.1%高)、国産牛が同407円(同13.4%高)となり、18年度以降、前年同月を上回る水準で推移している(図1)。 図1 種類別 ばらの小売価格の推移(前年同月比) 総務省「家計調査報告」によると、4月の牛肉購入数量は1人当たり170グラム(同10.8%減)とかなりの程度減少したものの、消費支出は前年度並みの1同523円(同0.0%)となっており、購買数量の減少に小売価格の上昇が影響している可能性もうかがえる。 |
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