需給動向 国内

◆鶏 肉◆

中国からの鶏肉調製品は激減、一方で鶏肉消費は堅調、卸売価格も高値を維持


◇絵でみる需給動向◇


  財務省が5月に発表した「貿易統計」によると、平成20年3月の鶏肉調製品の中国からの輸入量が8,848トン(前年同月比28.5%減)となり、輸入量全体も20,340トン(同17.7%減)となった。これは中国製冷凍ギョーザ問題で中国当局が日本向け食品の輸出検疫を強化したことによると伝えられている。

図4 鶏肉調製品の国別輸入量

 一方、国内では4月の国産鶏肉の平均卸売価格(東京)は、むね肉311円/kg(同51.2%増)、もも肉745円/kg(同18.4%増)と高値を維持している。

図5 国産鶏肉の生産量と部位別卸売価格の推移

 さらに食肉加工品仕向肉量((社)日本ハム・ソーセージ工業協同組合調査)によると、鶏肉の国内物の仕向量は1月は前年同月比4.5%増、2月は同18.0%増と増加傾向にあるのに対して、輸入物については1月が同1.2%増、2月は同20.4%減と急激に減少しており、国産志向がより高まってきているといえる。

図6 食肉加工品仕向肉量

 高病原性鳥インフルエンザが猛威をふるう韓国では発生後の鶏肉価格が低下傾向にあるとの情報もあり、しばらくは国内の鶏肉需給動向が注目される。


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