需給動向 海外

◆E U◆

拡大するチーズ、減少が予測されるバター・脱脂粉乳
(EUの牛乳・乳製品需給に関する中期見通し)


◇絵でみる需給動向◇


 欧州委員会は2008年4月4日、2007〜2014年におけるEUの主要農産物の需給に関する中期予測を公表した。なお、今回の予測は2007年12月時点の需給統計や施策などを基に行われており、2008年3月に決定された2008/09年度の生乳クオータの2%拡大や、ヘルスチェック議論において決定される見込みの2009年4月以降の生乳クオータの扱いなどについては考慮されていないことに留意が必要である。


2014年までの生乳生産量は安定して推移

 今回の中期見通しでは、生乳クオータの拡大は、当初より予定されていた2008年4月の11カ国における拡大(0.5%)のみが考慮されており、このため2014年までの生乳生産量は、この生乳クオータの数量内で安定して推移すると予測している。

 この生乳生産量のうち、乳業工場への生乳出荷割合は2007年の90.3%から2014年には92.1%に上昇すると予測している。これは、2004年5月に加盟した10カ国(EU10)では自家消費や直接販売の割合が約22%、2007年に加盟したルーマニア、ブルガリア(EU2)では、約73%に達するなど、2004年5月以前からの加盟国(EU15)に比べ乳業工場への出荷割合が低いが、今後、地域経済の改善などにより自家消費が減少していくと予測しているためである。

 乳用経産牛の飼養頭数と、1頭当たりの泌乳量の推移については、生乳クオータが一定で推移するため、反比例の関係となる。乳用経産牛の飼養頭数は、2007年の2,390万頭から2014年には2,190万頭と減少する一方、1頭当たりの泌乳量は2007年の6,161キログラムから2014年には6,723キログラムと増加すると予測している。

EU27カ国の生乳需給の推移


2014年のチーズ生産量は2007年比で8.3%増の予測

 2014年のチーズ生産量は、高付加価値乳製品として域内外の需要増が続くとの見込みから、2007年と比較して8.3%増の971万トンとかなりの程度増加すると予測している。地域別に見ると、EU15の同6.1%の増加に対し、EU10では同19.1%増、EU2では同40.7%増と、2004年以降の加盟国(EU12)における増加率が高い。

 1人当たりのチーズ消費量も増加傾向で推移し、同9.3%増の18.8キログラムと予測している。地域別に見ると、EU15が同5.3%増の19.8キログラムと予測する一方、EU10では同28.8%増の17.0キログラム、EU2では同86.0%増の10.6キログラムと所得の増加や食習慣の変化などを背景に大きく増加すると予測している。


バターの生産量・消費量は減少

 バター生産量は、原料となる生乳がチーズをはじめとする高付加価値乳製品の生産に多く充てられるため、2007年と比較して9.2%減の192万2千トンとかなりの程度減少すると予測している。また、消費量も減少傾向で推移し、2007年の207万8千トンから、2014年には195万2千トンと6.1%減少すると予測している。1人当たりのバター消費量は、EU15が同6.6%減の4.41キログラム、EU10が同7.2%減の2.69キログラム、EU2は26.2%増の1.30キログラムと予測している。これらの結果、バターの輸出量は2007年の18万トンから2014年には5万4千トンに減少すると予測している。


脱脂粉乳の生産量は減少、消費量は横ばい

 脱脂粉乳生産量もバターと同様に減少し、2014年には2007年と比較して15.7%減の80万7千トンとなると予測している。一方、消費量は横ばいないし微減傾向で推移し、2007年の79万3千トンから、2014年には77万8千トンと1.9%減少すると予測している。この結果、脱脂粉乳の輸出量は2007年の17万トンから2014年には3万9千トンに減少すると予測している。

チーズ需給の推移

バター需給の推移

脱脂粉乳需給の推移


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