需給動向 海外

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2014年までの豚肉生産量は増加傾向で推移する見込み
(EUの豚肉需給に関する中期見通し)


◇絵でみる需給動向◇


 欧州委員会は2008年4月4日、2007〜2014年におけるEUの主要農産物の需給に関する中期予測を公表した。なお、今回の見通しは2007年12月までの需給統計や施策などを基に行われており、今後の施策や貿易ルールの変更などは考慮されていない。

2014年の域内豚肉生産量、2007年比で2.4%増の2,270万トンの予測

 EUの2007年の豚肉生産は、前年比1.3%増の2,216万トンであった。2008年は2,211万トンとわずかに減少すると見込まれるが、域内外の好調な豚肉需要を受けてその後は増加傾向で推移し、2014年には2007年と比べて2.4%増の2,270万トンに達すると予測している。なお、昨年7月に公表された中期見通しにおける2007年の生産量は2,208万トンと予測していたが、実際の生産がこれを上回ったことから、2014年までの見通し期間のすべてにおいて、わずかであるが生産量は上方に修正している。

 地域別に見ると、2004年5月以前からの加盟国(EU15)では、2014年の生産量は2007年比で1.4%増、2004年5月に加盟した10カ国(EU10)は同9.9%増と予測される。一方、2007年に加盟したルーマニア、ブルガリア(EU2)は、ほかの加盟国との競合などにより同8.0%減少すると予測している。

豚肉消費量は引き続き増加傾向で推移する見込み

 豚肉はEU域内で最も消費されている食肉であり、豚肉消費量は今後も一貫して増加すると見込まれ、2014年の豚肉消費量は、2007年比で3.2%増の2,154万トンと予測している。2014年の1人当たりの食肉消費量は、豚肉が同2.4%増の43.4キログラム、牛肉が同3.5%減の16.7キログラム、家きん肉が同5.6%増の24.5キログラムになると予想しており、豚肉の伸びは家きん肉には及ばないものの、依然として家きん肉の2倍近い量を維持するとしている。地域別に見ると、EU15では同1.2%増の43.6キログラムと消費の伸びは低いものの、EU10では同5.3%増、EU2では同11.5%増と所得の増加などから高い伸びを予測している。

豚肉輸出量は減少傾向で推移

 2007年のEUの豚肉輸出量は、ロシア向けが急増した前年と比べると減少したが、今後も、ユーロ高やロシアなどの輸出市場における低コスト生産国との競合の激化などにより減少傾向で推移すると予測している。2014年の豚肉輸出量は、2007年と比較して9.8%減の118万トンと大きく減少すると予測している。一方、域内向けの豚肉輸出は、堅調な域内消費を背景に増加傾向で推移すると見ている。

EU27カ国の豚肉需給の推移


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