需給動向 国内

◆豚 肉◆

サーコワクチンが今後の豚飼養頭数および豚肉需給動向へ与える影響について


◇絵でみる需給動向◇


 畜産統計によると国内の豚の飼養頭数については、近年減少傾向で推移してきたが、2003年には牛肉の代替需要などにより豚肉価格が堅調に推移したことから、前年比1.2%増となり、2004年〜2005年はほぼ横ばいとなった。2007年は、堅調な豚肉価格などを背景に、前年比1.4%と増加した。

 米国では豚飼養頭数は2003年から緩やかな増加が続いていたが、2007年後半にかけてその伸び率が拡大し、2007年第3四半期(前年比6.5%増)、第4四半期(同7.2%増)、2008年第1四半期(同6.5%増)と3期連続で6%を上回る高い伸び率となっており、米国農務省(USDA)はこの増加をサーコワクチンの効果によるところが大きいとしている。

 豚サーコウイルスは離乳後の発育不良および削痩などを引き起こし、養豚経営に深刻な打撃を与えるため、養豚業界からはワクチンの早期承認の要望があがっていたが、このたび国内でも今年1月に承認され、現在は市場に流通している。

 米国からの脊柱を含む輸入牛肉の混載や韓国における高病原性鳥インフルエンザの流行などを背景に相対的に豚肉に対する需要は高まり、卸売価格も高値傾向にあるが、米国同様、養豚経営を助けるワクチンが国内に登場したことから、養豚業の生産性の向上が期待される。

図3 豚総飼養頭数の推移


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