需給動向 国内

◆牛 肉◆

乳用牛への黒毛和種交配状況、北海道で下落傾向


◇絵でみる需給動向◇


 (社)家畜改良事業団と(社)日本家畜人工授精師協会は平成20年3月31日、19年10〜12月の乳用牛への黒毛和種の交配状況(速報)を公表した。それによると、延べ人工授精頭数のうち黒毛和種授精頭数が占める比率は、全国平均で30.6%となり、前期(7〜9月)の33.4%を2.8ポイント下回った。

 10〜12月期における全国の乳用牛への黒毛和種交配率の下落は、全国人工授精頭数の約75%を占める北海道で、前期を4.0ポイント下回る18.4%となったことが影響したものとみられる。

 一方都府県では、関東地方、九州地方でそれぞれ46.4%、49.7%と依然として高い比率を示したため、全国平均も下落傾向にあるものの8期連続で30%を超える結果となった。乳用牛への黒毛和種交配率は14〜17年の間、おおむね20%台後半で推移していた。

 黒毛和種交配率が特に北海道において下落傾向に転じたことについては、生乳の増産体制への転換でホルスタインの授精頭数が増加していることや交雑種初生牛の取引価格が大幅な下落をしていることが背景にあるものと考えられる。図1を見ると、交雑種初生牛の取引価格は、19年夏以降、交雑種牛の枝肉卸売価格が前年同月を下回る水準で推移していることに加えて飼料価格の高騰など経営コストの上昇から、育成・肥育農家の子牛導入意欲が衰えていることなどを要因に下落を続けている。交雑種初生牛の取引価格は、18年5月には17万7千円(前年同月比25.4%高)まで値上がりしたが、18年下半期には下落傾向に転じ、19年2月にはピーク時の半値となる8万2千円(同35.2%安)となっている。

図1 交雑種初生牛価格と乳用牛への黒毛和種の交配状況の推移

資料:(社)家畜改良事業団、(社)日本家畜人工授精師協会機構調べ


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