需給動向 海外

◆タ イ◆

鶏肉調製品の輸出価格上昇


◇絵でみる需給動向◇


2007年の生産量はかなりの程度増加、価格も好調に推移

 タイ農業・協同組合省によると、2007年12月のブロイラー生産量は前年同月比8.1%増の約7千5百万羽となった。ブロイラー生産量は、2006年6月以降総じて増加から横ばいの傾向が続いており、2007年1月以降は7千万羽を超えて推移している。この結果、2007年の生産量は、前年比8.7%増の約8億8千百万羽となった。ひなふ化羽数についても、ブロイラー生産量と同様に2006年6月以降増加傾向で推移しており、12月のひなふ化羽数は前年同月比8.2%増の約7千8百万羽となった。

 生産量が増加から横ばい傾向で推移している中、12月の卸売価格(生体)は、前年同月比13.6%高のキログラム当たり37.5バーツ(約121円:1バーツ=3.22円)となり、2007年2月に上昇に転じてからは、3月以降30バーツ台の水準で推移している。2007年の単純平均価格は同33.1バーツ(約107円)で、前年比85.7%と低水準だった2006年の同27.7バーツ(約89円)と比べて19.6%高となり、2005年の32.3バーツ(約104円)の水準まで回復している。

 また、12月の小売価格(中抜き)は、前年同月比8.8%高の同55.5バーツ(約179円)となり、卸売価格と同様に前年を上回る水準で推移している。

鶏肉生産量と卸売価格の推移


鶏肉調製品の輸出は増加傾向で推移

 12月の鶏肉調製品の輸出量は、前年同月比19.3%増の約2万7千トンとなった。主な輸出先別でみると、日本は同11.2%増の約1万1千トン、英国は同20.5%増の約8千5百トン、オランダは同9.0%増の約2千7百トンとなった。

 2007年の輸出量は約27万8千トンとなり、前年の実績約25万3千トンを9.8%上回った。国別実績は、日本が同0.4%増の約11万2千トン、イギリスは同9.9%増の約9万2千トン、オランダは同8.7%増の約2万6千トンとなった。国別シェアをみると、日本向けが40%、英国向けが33%となっている。日本向けは、輸出量全体が増加している一方で横ばいであったものの、鶏肉調製品の輸出先としては最も多く、シェアは4割程度の水準を保っている。

 また、日本とEU以外の新規市場として有望視されているシンガポール向けは同95.0%増の約7千トン、同じく韓国向けは同51.6%増の約4千トンとなり、引き続き好調を維持している。

 なお、2007年に輸出が再開したアラブ首長国連邦には、16トンが輸出された。

タイからの鶏肉調製品の国別輸出量


生産コストの上昇を反映して調製品の輸出価格が上昇

 2007年12月の鶏肉調製品の平均輸出価格は、前年同月比18.0%高のキログラム当たり127.8バーツ(約412円)となった。対日輸出価格は同9.4%高の同114.6バーツ(約369円)であった。2007年の平均輸出価格は前年比1.1%高の同115.7バーツ(約373円)、うち対日輸出価格は同6.6%安の同106.9バーツ(約344円)となった。輸出価格は、2006年以降、総じて低下傾向で推移してきたが、2007年9月以降、上昇傾向に転じて推移している(36ページのグラフ参照)。タイブロイラー加工輸出協会によれば、この主な要因として、燃料や飼料価格といった生産コストの上昇が挙げられるとのことである。

 鶏肉は政府の価格監視品目であるため、生産コストの上昇分を即刻国内価格に反映することは難しいものの、輸出向けの調製品は価格が監視されないため、国内向けに比べてコスト上昇分を反映しやすいとされている。

 タイでは、飼料原料のトウモロコシや魚粉の自給率は高いものの、大豆かすは輸入に頼っており、2006年は約7割の約217万トンを輸入した。飼料用大豆かすの輸入価格は、2007年2月以降上昇を続けている。世界的な穀物価格の高騰を反映し、特に11月、12月には、前年同月比で40%以上上昇した。12月の平均輸入価格は、前年同月比44.2%高のキログラム当たり13.2バーツ(約43円)となっている。

タイの大豆かすの輸入価格の推移

 


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