需給動向 海外

穀物、高騰する一方で貿易量は過去最大


◇絵でみる需給動向◇


粗粒穀物貿易量は前年度を6.3%上回る

 米国農務省経済調査局(USDA/ERS:Feed Outlook(2008年3月))によると、世界全体における2007/08年度(10月〜翌年9月)の粗粒穀物貿易量は、記録的であった前年度を6.3%上回る1億2,120万トンが見込まれている(表1)。

表1 世界全体における穀物貿易量

 穀物価格が高騰する一方で、貿易量が萎縮することなく拡大している主な要因については、輸出はブラジルからのトウモロコシの増加により、また、輸入は干ばつで生産量が減少した欧州(27カ国)地域での増加によるとしている。

 ブラジルからのトウモロコシの輸出量は、記録的であった前年度をさらに3割(30.1%)上回り、欧州(27カ国)地域の輸入量は、ブラジルからのトウモロコシや米国からのソルガムなど非遺伝子組み換え(Non-GMO)穀物により増加している。

 USDAによると、ブラジルの非遺伝子組み換えトウモロコシは、アルゼンチン産や米国産よりもトン当たり50〜70ドル高値となるため、ブラジルから輸入していたイランや韓国のスターチ製造業者などは、新たな輸入先を模索し始めているとしている。


ブラジル、トウモロコシの収穫面積は、この3年度間で25.4%増し

 ブラジルの2007/08年度におけるトウモロコシ、大豆の生産量は、ともに記録的であった前年度を更新し、それぞれ5,300万トン(前年度比3.9%増)および6,100万トン(同3.4%増)が見込まれている(図1)。

図1 ブラジルのトウモロコシ、大豆生産量

 トウモロコシの収穫面積は、この3年度間で25.4%増しており、2007/08年度の単収は過去最高となる3.66トン/ヘクタールが見込まれている。


わが国のトウモロコシ輸入量は減少傾向

 粗粒穀物のうち、その約8割を占めるトウモロコシの2007/08年度の貿易量は、記録的であった前年度を4.6%上回る9,509万トンが見込まれている。

 一方、わが国の2007年のトウモロコシ輸入量は、前年を1.5%下回る1,663万トン、また、2008年1月の速報値でも前年を3.3%下回り減少傾向で推移している(表2)。

表2 わが国のトウモロコシ輸入実績


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