需給動向 国内

◆牛 肉◆

7月の牛肉家計消費、数量、金額ともに前年同月を下回る


◇絵でみる需給動向◇


 農林水産省「食肉流通統計」によると、平成20年7月の牛肉生産量(部分肉ベース)は、前年同月をやや上回る32,396トン(前年同月比4.9%増)となった。和牛が13,192トン(同5.5%増)、乳牛(交雑種含む)が18,543トン(同4.8%増)といずれも前年同月を上回っている。当機構調べによる国産品の期末在庫量も前年同月をかなり大きく上回る12,164トン(同13.3%)増となっており、この結果国産品の推定出回り量は、31,583トン(同1.6%増)となった。

 推定出回り量が前年同月を上回る一方で、牛肉消費量の約35%を占める家計消費量は前年同月を下回った。総務省「家計調査報告」の7月の調査結果について見ると、全国1人当たりの牛肉購入金額は518円(同1.8%減)と減少しており、購入数量については前年同月をかなりの程度下回る165グラム(同7.2%減)となった。牛肉の家計消費は、4月以降、購入金額が前年同月並もしくはわずかに上回って推移する一方で、購入数量は前年同月を下回って推移していたが、7月は数量、金額ともに下回った(図1)。消費者物価指数が上昇する中、牛肉の家庭における需要が減退しているとの見方もある。

 総務省「小売物価統計」によると、牛肉、豚肉、鶏肉はおおむね前年同月を上回る水準で推移しており、7月は国産牛肉(ロース)が100グラム当たり900円(同4.4%高)、輸入牛肉(冷蔵・ロース)が同394円(同16.2%高)となったほか、豚肉(ロース)が同253円(同4.1%高)、ブロイラーが(もも)が同134円(同7.2%高)といずれも前年同月を上回っている。豚肉、鶏肉の家計消費を見ると、全国1人当たりの購入金額はいずれも前年同月を上回って推移しており、食肉の小売価格が全体的に上昇傾向にある中、より安価な豚肉、鶏肉の需要が強まっているものとうかがえる。

図1 牛肉の家計消費(全国1人当たり)の対前年同月比の推移

図2 食肉種類別小売価格、対前年同月比の推移


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