需給動向 海外

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◇絵でみる需給動向◇


豚枝肉卸売価格は一貫して堅調に推移

 2008年に入り、EUの豚枝肉価格が上昇していることは既報(畜産の情報2008年7月号)のとおりであるが、2008年8月現在においてもその傾向が継続している。

 EUにおける8月の豚枝肉平均価格は100キログラム当たり168.55ユーロ(27,305円:1ユーロ=162円)と前年比で15.4%高となっており、主要国別にみても、デンマークで前年比4.9%高の同139.88ユーロ(22,661円)、スペインで同3.8%高の同167.63ユーロ、フランスで同16.3%高の同158.85ユーロ(25,734円)、オランダで同17.7%高の157.48ユーロ(25,512円)といずれも堅調に推移している。

 枝肉価格の上昇を受け、部分肉価格も上昇している。英国農業・園芸開発委員会(AHDB:Agriculture and Horticulture Development Board)の市場調査によれば、「もも」はスペインでは前年比4%高と小幅になったものの、ほかの加盟国では軒並み同10%以上上昇している。一方「肩ロース」では、ドイツおよびフランスでは同40%高、オランダでは25%高、イタリアおよびスペインでは15%高と上昇率が更に顕著となっている。

 AHDBは、この豚卸売価格上昇を直ちに小売価格に反映させることは難しく、食肉処理場および加工施設の経営に深刻な影響を与えていると分析している。

EU加盟国における豚枝肉卸売価格の推移


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