需給動向 国内

◆飼 料◆

トウモロコシの輸入量11カ月連続で前年を下回る


◇絵でみる需給動向◇


 財務省「貿易統計」によると、平成20年6月の飼料用トウモロコシの輸入量は828,810トン(前年同月比18.0%減)となり、11カ月連続で前年を下回った。国別に見ると米国産が828,423トン(同13.4%減)、アルゼンチン産は19年度には288,715トン(前年度比354.6%増)と大幅に増加したが、6月は輸入の実績がなく、中国も同様に19年度は316,476トン(同23.5%減)の輸入量があったが、6月は輸入の実績がなかった。これはアルゼンチンにおいて春先以降、穀物の輸出税をめぐり生産者のストライキが続いたことや、中国での輸出規制を受けて輸入量が減少したことが要因とみられる。このため米国からの輸入が99%を占める結果となった。輸入価格(CIF)を見てみると、トン当たり34,930円(前年同月比24.7%高)と大幅に上昇した(図9)。

  このほか、配合飼料の主な原料となる穀物の輸入価格は軒並み上昇しており、こうりゃんは同37,124円(同30.1%高)となった。こうりゃんの主な輸入相手国である米国において、EU向けソルガム(こうりゃん)の輸出量が大幅に増加していることを背景に、輸入量も11カ月連続で前年同月を下回る53,055トン(同28.3%減)となっている。国際連合食糧農業機関(FAO)によると、EUでは気候変動により小麦などの生産量が減少しており、飼料用小麦と大麦の代替品としてトウモロコシとソルガムの米国産に対する需要が増加していることが要因とみられる。米国農務省(USDA)によると、米国のソルガム(こうりゃん)のEU向け輸出量は、19年9月〜20年4月の累計で4,249トン(前年同月比625.1%増)となっている。一方日本向けは、423トン(同31.4%減)となった。

図9 飼料用とうもろこしの輸入量と輸入価格


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