需給動向 海外 |
牛飼養頭数、北部を中心に再構築進むと予測 |
2009年6月現在の牛飼養頭数は北部を中心に増加、南部では引き続き減少豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)は1月29日、2013年までの牛肉および羊肉の需給予測を公表した。これによると、2009年の豪州牛肉業界は、豪ドル安による海外需要の増加や全体的な気象条件の改善による出荷頭数の減少に伴い牛肉の輸出価格や国内牛肉価格が高値で推移することから、経営環境は改善すると見込まれている。しかしながら、短期的には、世界的な経済危機の影響による牛肉需要の減退が懸念される状況にあるとしている。 2009年6月時点の牛飼養頭数は、前年比2.8%増の2,858万頭と2006年以来3年ぶりに増加に転じるとしている。これは、クイーンズランド(QLD)州や北部準州といった豪州北部を中心に気象条件に恵まれ、これらの地域で牛群の再構築が進むためである。一方、ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州、南オーストラリア州、タスマニア州といった南部では、引き続き乾燥気象の影響により飼養頭数が減少するとしており、牛飼養頭数の格差は豪州北部と南部でさらに拡大する。こういった牛群再構築の動きを反映して、牛飼養頭数に占める雌牛の比率(2008年6月現在)は、49%と歴史的に見て高水準となっている。 牛飼養頭数は、2010年以降も緩やかな増加傾向を維持し、2013年には2,960万頭に達すると予測している。 2009年の牛肉生産量は前年比2.0%増、2010年以降は一段と増産2009年の牛と畜頭数(子牛を含む)は、牛群再構築の進展を背景に前年比0.5%増の878万頭にとどまると予測している。このうち去勢雄牛については、QLD州から重量級の牧草肥育牛の出荷が増えるほか、2009年後半以降、飼料穀物価格の低下や豪ドル安を反映して穀物肥育牛の出荷が増加するため、同1.8%増としている。一方、雌牛については、牛群の再構築を背景に保留頭数が増加することから、同2.7%減としている。中期的に見ると、増加傾向を維持して、2010年のと畜頭数は、飼養頭数の増加を反映して同3.9%増の912万5千頭と増加し、2013年には965万頭に達すると予測している。 2009年の牛肉生産量は、同2.0%増の219万5千トン(枝肉ベース。子牛を含む)と予測している。ただし、この増加は、平均枝肉重量の増加によるところが大きい。また、2010年の生産量は、と畜頭数の増加を反映して同4.8%増の230万トンと一段と増加し、2013年には246万トンとなるなど2008〜2013年の5年間で年平均2.9%増加すると予測している。 2009年の牛肉輸出量は日本、米国、東南アジア向けを中心に引き続き増加2009年の牛肉輸出量は、前年比3.4%増の99万トン(船積重量ベース)と2008年に続き過去最高を更新すると予測している。最大の輸出先である日本向けについては、豪ドル安に加え、豪州における穀物肥育牛生産が増加することから、同3%増の37万5千トンとしている。米国向けについては、豪ドル安や米国内の牛肉生産量の減少を背景として加工用牛肉の需要が高まることから、同38%増の32万5千トンとみている。また、東南アジア向けについては、経済成長が持続するとことから、同11%増の3万トンと予測している。一方、韓国向けについては、米国産牛肉との競合や国内消費の減退により、同17%減の10万5千トンと2008年に続き大幅に減少するとしている。 一方、2009年の豪州国内の牛肉消費量は、消費者が牛肉に対する支出を減少する傾向にあるため、外食や小売における高級部位の販売が減少し、同2.1%減の71万5千トン(枝肉ベース)と2年続けて減少すると予測している。
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