需給動向 国内 |
総務省「家計調査報告」によると、平成21年1月の全国1人当たりの牛肉購入金額は529円(前年同月比2.2%減)と減少し、購入数量についても前年同月をやや下回る167グラム(同4.4%減)となった。牛肉の家計消費量については、内食機会の増加などに伴い、20年9月以降前年を上回って推移してきたが、12月に前年を0.7%下回ったのに続き、1月も前年同月比4.4%減と2カ月連続の前年割れとなった。これは、不景気により牛肉需要が一層減退し、値ごろ感がある豚、鶏肉にシフトしたことが背景にあると考えられる(図1)。 家計消費量の減退は、テーブルミートとしての供給を主に担っている国産牛肉の需給に影響を与えている。 当機構調べによる国産品の期末在庫は、牛肉生産が増加傾向で推移したことなどから、20年5月以降前年を上回って推移している。牛肉生産(部分肉ベース)は、11月に続いて1月にも前年をわずかに下回る26,944トン(前年同月比0.3%減)となったものの、国産品の期末在庫については、需要の減退から9月以降、加速的な増加傾向となり、1月には、前年を27.6%上回る13,274トンとなった。在庫率(在庫量/推定出回り量)は、20年度(4月〜12月)の在庫率(平均41.2%)を上回る47.7%となった。 牛肉の消費低迷などにより牛枝肉価格や肉用子牛価格が低迷しており、価格低迷による肉牛農家の収益性が悪化している。このため、牛肉の持つ優れた栄養や機能などといったことを消費者にもっと知ってもらうとともに、牛肉のおいしさを再認識してもらうためにも継続的な消費拡大キャンペーンなどを行うことが重要と思われる。今後の消費動向に注目したい。
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