需給動向 海外

◆米 国◆

2008年の輸出量は前年を32%上回る一方、2009年は前年並みの見込み


◇絵でみる需給動向◇


2008年の牛肉輸出量は、2003年の75%まで回復

 米国農務省(USDA)によると、2008年の牛肉輸出量(枝肉重量ベース)は前年を31.9%上回る85万6千トンとなった。これは米国におけるBSE発生の影響を受ける前の過去最高を記録した2003年の114万2千トンの75.0%に相当する。また、輸出額では前年を38.0%上回る36億2千万ドル(3,583億8千万円:1ドル=99円)となった。これは2003年の輸出額の93.9%に相当する。

 このような大幅な増加は、世界的に食肉の需要が旺盛であったことや、2008年秋までの主な輸出相手国通貨に対してドル安で輸出環境が良好であったことと、それに応える米国の国内生産量があったことによると考えられる。

2009年の牛肉輸出量は前年と同程度の見込み

 輸出先国別に見ると、BSE発生以降の最大の輸出先となっているメキシコ向けは前年を10.9%上回る29万5千トン、2位のカナダ向けは前年を14.8%上回る17万6千トン、3位の日本向けは前年を45.0%上回る10万5千トンとなった。また、2007年10月に輸入禁止となり2008年7月に輸入を再開した韓国向けは、前年を95.2%上回る6万9千トンとなり2008年も4位となっている。この上位4カ国向けで前年を22.4%上回る輸出となっているが、輸出量全体に占める割合は2007年には81.2%であったものの2008年は75.3%と低下している。これからも分かるように、2008年の米国の牛肉輸出の特徴として、ベトナムをはじめその他の多くの国々への輸出が拡大していることが挙げられる。

 USDAは本年2月26、27日に開催された2009年米国農業観測会議(Agricultural Outlook Forum 2009)で、世界的な経済の落ち込みとドル高が継続するとみられることに加えて米国の牛肉生産量が減少すると予想されることから、2009年の米国牛肉の輸出は制限され、2008年と同程度になるものと予測している。

 しかしながら、業界団体は、依然輸出需要は強いこと、また輸入を再開した韓国への期待も高いことから前年を2割程度上回る伸びを予測している。

米国の国別牛肉輸出量の推移

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