需給動向 海外 |
バターの介入買入の申請は開始後3日で限度数量を超過 |
バターは入札方式による単価での買入に移行へバターおよび脱脂粉乳の介入買入が3月より開始された。低迷する域内乳製品市場を背景に申請の集中が予想されていたバターについては、申請受付開始後わずか3日(2日(月)〜4日(水))で、当初の買入上限である3万トンを超過したと3月7日付け官報で発表された。これは、乳業メーカーがより有利な価格での売却を求め、申請が殺到したためとみられている。また、脱脂粉乳については、3月の第1週の段階では当初の買入上限(10万9千トン)を超過していないものの、当地乳業団体によれば、すでに4万トンを超える申請がなされている模様である。 今後、バターの介入買入については、これまでの固定単価での買入から月2回の頻度で入札方式により決定される単価での買入に移行することとなるが、買入単価の低下がどの程度の水準となるのかが注目される。 1月より開始のバターの民間在庫補助(PSA)申請のペースは鈍化これに対し、バターの民間在庫補助(PSA)に対する申請については、欧州委員会の判断で例年より2カ月前倒しの2009年1月より開始された。当初は、前年(2008年3月開始)とほぼ同じペースで推移してきたが、ここのところ徐々に鈍化しつつある。これは、バターの介入買入の影響とみられるが、前述のとおりすでに固定単価での介入買入は終了したことから、今後の民間在庫補助申請の動向は、入札方式による介入買入の条件との相対的なバランスに左右されると思われる。 輸出補助金の単価は2月に1〜2割増額 一方、乳製品の輸出補助金については、1月22日に開催されたEU乳業管理委員会において再開が決定され、これまでに一度(2月19日)、輸出補助金単価がチーズを除き1〜2割引き上げられたが、3月5日ではすべての品目で据え置かれた。当地関係者は、増額されたとはいえ、輸出補助金の単価は低迷する乳製品国際価格とのギャップを埋めるには十分ではなく、現時点では域外への乳製品の輸出が急増する状況にはないとみている。
|
元のページに戻る