需給動向 国内

◆豚 肉◆

増産が見込まれる中、依然高い在庫率


◇絵でみる需給動向◇


 農林水産省「食肉流通統計」によると、平成21年1月の豚肉生産量は7万7千トン(前年同月比2.3%増)となり2カ月連続で前年同月を上回った。今後の生産について見てみると、2月は132万5千頭(同1%減)となったこと(農林水産省「肉豚生産出荷予測」)、3月も138万6千頭(同7%増)と、1〜3月で見ると前年同期を3%上回ると見込まれている。

 また、4月以降のと畜頭数について農林水産省では、今冬は平年に比べ暖冬で、肉豚の成育が良かったため、4〜6月の生産量は前年同期を2%上回るものと予測している。

 一方、需要に関しては、食の安全に関する意識の高まりや国産志向により国産品の需要が高まったこと、牛肉より価格の安い豚肉へ需要がシフトしたことなどにより国産品の高値が続いた結果、安価な輸入品へ需要が回帰したことから輸入量を増加させた。このため、国産品の在庫率(機構調べ:推定在庫量/推定出回量)を見てみると、国産品の卸売価格が下落したにもかかわらず、20年10月以降も冷凍品在庫数量は減少せず、国産品在庫率は高い水準で推移している(図2)。

 景気の急速な悪化に伴い、消費者が節約志向を一層強めている中で、ロースなどの高級部位の需要が減少しており、今後の需給動向に注目したい。

図2 枝肉卸売価格(東京・省令)と国産品在庫率の推移

 


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