需給動向 海外 |
大幅に拡大した2008年の豚肉輸出量米国農務省(USDA)によると、2008年の豚肉輸出量(枝肉重量ベース)は前年を48.8%上回る211万8千トンとなった。また、輸出額では46億7,500万ドル(4,628億2,500万円:1ドル=99円)となり前年を54.3%上回った。豚肉の輸出量は17年連続で過去最高の記録を更新しており、特にこの5年間の伸びは大きく、2008年の輸出量は5年前の約2倍となった。 米国の輸出の拡大は、世界需要の伸張を背景に増大してきた米国の豚肉生産があったからといえる。
2009年の輸出量は前年を14%下回る見込み豚肉輸出量は輸出先上位7カ国で全体の9割近い数量を占めており、2008年はいずれの国も大きく前年を上回った。国別に見ると、2007年に3位だったカナダ向けは前年を15.5%上回る19万2千トンとなったものの5位に順位を下げたのに対し、香港向けは大きく躍進し、前年の約3.9倍の22万2千トンと、2007年の7位からカナダに代わって3位に付けた。ロシア向けは米国産豚肉に対する検疫の関係で12月は前年同月の約4分の1程度に急落したものの、前年を76.1%上回る19万5千トンとなり5位から4位に順位を上げている。2009年1月以降米ドルに対するルーブルの価値が大きく下落していることもあり、短期的にロシアへの輸出が回復することは困難と考えられるが、ロシアは米国に対する関税割当枠を拡大していることもあり今後の動向が注目される。 中国向けは2007年と変わらず6位だが、前年を58.5%上回る16万4千トンとなった。月別に見ると、1月から7月の7カ月間で全体の92.5%を占める15万2千トンを輸出しており、北京オリンピックの需要が終わり国内生産が回復した後の終盤の5カ月間では全体の7.5%となる1万2千トンの輸出になるなど急激に縮小している。 2008年の米国輸出量の28.4%を占める最大の輸出先国である日本向けは前年を23.3%上回る60万トンとなり、金額では前年を33.7%上回る15億3,700万ドル(1,521億6,300万円)となった。米国の豚肉総輸出額に占める日本向けの輸出額の割合は32.9%で輸出量に占める割合より高くなっている。ほとんどの輸出先国通貨に対して米ドル高である中、日本円に対しては米ドル安となっていることから日本への期待は高い。 本年2月26、27日に開催された2009年米国農業観測会議(Agricultural Outlook Forum 2009)でUSDAは、世界的な経済の収縮およびほとんどの輸出先国通貨に対して米ドル高であることが予想されること、中国に対しては前年並みの輸出が期待できないことから2009年の豚肉輸出量は前年を14%下回る181万4千トンと予測している。
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