ブロイラー生産量は減少傾向で推移
米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が公表した「Poultry Slaughter」によると、5月のブロイラー処理羽数は6億9294万羽と前年同月を9.2%下回り、平均出荷重量は1羽当たり2.54キログラムとほぼ前年同(前年同期比0.2%減)となった。これにより、ブロイラー生産量は前年同月比8.7%減の131万1千トンとなった。また、同省経済調査局(USDA/ERS)による6月のブロイラー生産量の推定値は前年同月比0.3%減の139万2千トンとなり、ブロイラー生産量は3四半期連続で前年同期を下回ることが見込まれる。また、NASSの公表した「Broiler
Hatchery」によると、米国の主要19州におけるブロイラー向けひなの4月〜6月の週間導入羽数が前年同期を4.2%〜6.6%下回ったほか、6月の週間ふ卵個数も前年同期を4.2%〜5.6%下回った。このようなことから、第3四半期のブロイラー生産量は引き続き前年を下回って推移するものと見込まれている。
図1 ブロイラー処理羽数の推移
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在庫が減少し、鶏肉の卸売価格は上昇
また、在庫量は、生産が減少したことに加え、輸出が好調であることから、5カ月連続で前年同月を下回っており、鶏肉需給に改善の兆しが見られつつある。
このような中、6月の生産者生体販売価格は、NASSの公表した「Agricultural Prices」によると、ポンド当たり51.0セント(キログラム当たり109円:1ドル=97円)と前年同月を2カ月連続で上回った(同6.3%増)。また、6月の卸売価格についても、むね肉価格が16カ月ぶりに前年同月を上回るなどほとんどのブロイラー製品の卸売価格が前年を上回っており、ややタイトになってきた需給状況が価格に反映され始めたものと考えられる。
図2 ブロイラーむね肉卸売価格の推移
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図3 ブロイラーもも肉四分体卸売価格の推移
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価格は当面前年を上回る水準で推移か
ERSが6月17日に公表した予測によると、ブロイラーの生産量は価格の上昇を受け増加し、2009年第4四半期には前年同期を1.0%上回るものの、価格を押し下げるには至らず、2009年第4四半期の丸どり卸売価格はポンド当たり79〜85セントと、前年を上回って推移するとしている。 NASSが6月30日にトウモロコシの作付面積を上方修正したことに伴いトウモロコシの先物価格が弱含んできており、ブロイラー生産者にとっては好ましい環境が整い始めている。
しかし、今後、安易にブロイラーの生産量を増やすようなことになれば、需給状況が一転する可能性もあり、生産者には、引き続き慎重な対応が求められている。
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