生産量は、2年連続して消費量を上回る
米国農務省海外農業局(USDA/FAS:Grain:World Markets and Trade)によると、2009/10年度における世界の小麦在庫量は、記録的な低水準であった2007/08年度から著しく改善し、前年度をさらに8.5%上回る1億8,265万トンが見込まれている。
この理由として、生産量は前年度を3.8%下回る6億5,606万トンであるが、消費量が前年度比1.3%増となる6億4,181万トンにとどまり、2年連続して生産量が消費量を上回ることで、在庫が積み増されたことによる。
世界全体の小麦需給
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国際需給の緩和に限定的な中国、 ロシアの在庫
FASによると、世界の小麦需給は、主要な輸出国・地域である米国、EU(27カ国)、カナダ、豪州の生産量、在庫状況に負うとし、一昨年から昨年に見られた小麦価格の急騰が示しているとおり、小麦の国際価格とこれら主要な輸出国・地域の在庫水準には、著しい逆相関が示されると指摘している。
その一方で、中国、ロシアの小麦在庫水準が、国際需給の緩和に与える影響は限定的であるとし、中国の小麦在庫は、前年度を23.3%上回り、世界の在庫量の3割を上回る5,971万トンが見込まれているが、政策上、輸出量の増加には結び付きにくいこと、また、ロシアも、民間および政府の在庫水準は高く、輸出量も大きいが、安定した供給国としては不透明であり、国内在庫が積み増されても、市場経済でなく政府の意向が働くため、国際需給の緩和には、貢献しにくいと指摘している。
世界全体の小麦在庫内訳
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