飼養頭数は前年同期比で16.9%増、前回調査比では横ばいで推移
豪州フィードロット協会(ALFA)は10月20日、豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)と共同で四半期ごとに実施している全国フィードロット飼養頭数調査の結果(2009年9月期)を公表した。これによると、2009年9月末時点の総飼養頭数は74万3千頭と、前年同期比では16.9%増となったが、前回調査(2009年6月期)比では横ばいで推移した。
飼養頭数を州別に見ると、最大の肉牛生産地であるクイーンズランド(QLD)州が前回調査比5.9%増とやや増加、ビクトリア(VIC)州が同21.6%増と大幅に増加する一方、西オーストラリア(WA)州が、季節的な要因から放牧肥育が進み、同77.9%減と大幅に減少した。
州別フィードロット飼養頭数内訳
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ALFAは、飼養頭数が前回調査に比べ横ばいで推移したのは、素牛価格や飼料穀物価格が下落したものの、主要通貨に対して豪ドルが高値で推移したことや、主要輸出市場において牛肉需要が低迷しているためとしている。なお、2009年7〜9月における素牛価格は前年同期比3%安、飼料穀物価格は同26%安とそれぞれ下落した。
グレインフェッド牛肉の輸出環境は依然として厳しい状況
MLAによると、2009年7〜9月におけるグレインフェッド牛肉輸出量は、豪ドル高、米国産牛肉との競合により、前年同期と比べ同水準にとどまった。国別では、日本向けが1%増となったが、韓国向けは5%減となった。MLAでは、グレインフェッド牛肉の輸出環境について、豪ドル高が進んだことでより厳しさを増したとしている。
ALFAのカドモア会長は、豪州のフィードロット業界には明るい兆しも見えるが、今後の見通しについては、不透明であることから、飼養動向に影響を与える要因として、世界の経済動向、金利動向、主要国通貨に対する豪ドル為替相場、ソルガムなど夏穀物の生産動向などに注視する必要があるとしている。
図4 フィードロット飼養頭数などの推移
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