需給動向 海外

◆飼 料◆

中国のトウモロコシ需給、消費量は5年ぶりに生産量を上回る


◇絵でみる需給動向◇


天候不順は単収を直撃

 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)が本年10月に公表した世界農業生産(World Agricultural Production)によると、中国の2009/10年度(10月〜翌年9月)のトウモロコシの生産量は、記録的であった前年度を6.6%下回る1億5,500万トンが見込まれている。一方、消費量は右肩上がりで推移し、前年度を4.6%上回る1億5,900万トンが見込まれ、5年ぶりに生産量を上回る。このため、期末在庫は前年度を8.4%下回り4,864万トンが見込まれている(図14)。

図14 中国のトウモロコシ生産量と消費量

 USDA/FASは、生産量の減少要因として、単収の低下を挙げている。トウモロコシの収穫面積は、大豆から、高い収益が得られるトウモロコシにシフトし、また、トウモロコシ生産農家への政府支援などから前年度を0.7%上回り、記録的な3,000ヘクタールとされる一方、単収については、東北部、中央部の一部地域で発生した深刻な干ばつや北部平原地域と南部地域の一部で発生した荒天により、記録的であった前年度を7.2%下回る5.17トン/ヘクタールが見込まれている(図15、16)。

図15 中国のトウモロコシ収穫面積と単収
図16 中国のトウモロコシ生産量

大豆生産は天候不順と収穫面積減少のダブルパンチ

 中国の2009/10年度の大豆収穫面積はトウモロコシなどへの転作で、前年度を3.6%下回る880万ヘクタール、生産量は前年度を6.5%下回る1,450万トンとされる。単収は、干ばつから前年度を2.9%下回る1.65トン/ヘクタールが見込まれ、これは直近5カ年度平均を下回る(図17、18)。 中国の大豆の半分以上を生産する東北部(東北三省(吉林省、遼寧省、黒龍江省)および内蒙古自治区)の中で、生産量の約4割を占める黒龍江省では、は種面積の45%以上が干ばつによる発芽不良から、植え替えを強いられており、その後の天候不順が生育に影響を与えているとしている。

図17 中国の大豆収穫面積と単収
図18 中国の大豆生産量

元のページに戻る