需給動向 国内 |
輸入量、過去5年間で最高 |
鶏肉の輸入量は昨年から増加傾向で推移してきたが、財務省「貿易統計」によると平成20年10月は4万9千トンと過去5年間で最も多い輸入量となった。このうち、高病原性鳥インフルエンザが中国やタイで発生し、輸入が停止した平成16年2月以降、最大の輸入国であるブラジルからは、輸入量全体の93.7%を占める4万6千トンが輸入された。 このような輸入増は、国産志向の強まりを受けた国産品への需要増が国産品の高値を招いたが、その反動でより安価な輸入品への需要が高まり、輸入量の増加に拍車がかかったことによるとみられる。この結果、当機構調べの10月の推定期末在庫量は1万7千トンと前年同月に比べ39.6%増となり、在庫量も過去5年間で最大となった。特に、輸入品が前年同月40.1%増の1万3千トンと大量の在庫を抱えた。 在庫の大幅な増加を反映して、輸入品の解凍鶏肉がテーブルミートとして市場に出回り、国産品と競合しているとみられ、国内の卸売価格(東京)は、もも肉とむね肉をあわせた価格が、10月は1,052円(前年同月比18.9%高)、11月速報値は、1,030円(同6.3%高)と、前年並みに下がってきている(図4)。 図4 鶏肉輸入量と在庫量及び国産卸売価格の推移 このような輸入量過多な状態は、輸出先国での輸出積出し量を勘案すると年内いっぱいは続くという見方もあり、市場に与える影響が懸念される。 |
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