需給動向 国内

◆飼 料◆

全農と全酪連、配合飼料価格に対する2,000円の対策費計上を発表


◇絵でみる需給動向◇


 全国農業協同組合連合会(全農)は11月20日、配合飼料特別対策として、12月の配合飼料出荷に対してトン当たり2,000円の対策費を支出すると発表した。全農を通じて配合飼料を購入する3万戸以上の畜産農家が対象となるとみられる。全農は、トウモロコシのシカゴ定期相場が下落して先行き飼料原料価格の値下がりが見込める情勢となったものの、配合飼料価格は依然として高い水準にあり、今後も厳しい畜産経営が予想されることから今回の対策に踏み切ったとしている。

 また、全国酪農業協同組合連合会(全酪連)も11月26日、全農と同様、12月に販売(12月1日から同12月31日までの出荷分)する配合飼料につきトン当たり2,000円の対策費を支出すると発表した。1カ月という期限付きではあるものの、農協系統の大手配合飼料業者によるこのような特別対策が生産者に与える影響が今後注目される。

 一方、財務省「貿易統計」によると、10月のトウモロコシの輸入価格(CIF)は、トン当たり38,643円と、前年同月比では44.3%高と引き続き高水準にあるものの、前月比では6.3%安と20年2月以来8ヵ月ぶりに前月を下回った。

 トウモロコシのシカゴ定期は低下傾向で推移していることなどから、輸入価格は今後も下がるものと予想される。

 これは、(1)トウモロコシのシカゴ定期相場が今年の最高値を記録した6月のブッシェル当たりの7.5ドルと比べて、12月上旬では3ドル前半で推移していること、(2)為替が今年一番の円安を記録した8月の対ドル110円と比べて、12月上旬では96〜92円で推移しており円高展開であること、(3)海上運賃が今年の最高値を記録した5月のトン当たり147ドルに比べて、12月上旬では30ドルを割込んで推移していること、などの要因によるものとみられる(図8)。

図8 トウモロコシ シカゴ定期相場と飼料用輸入価格


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