需給動向 国内

◆鶏 肉◆

鶏肉調製品の輸入量、2年連続減少


◇絵でみる需給動向◇


 財務省が公表した「貿易統計」によると、平成20年度の鶏肉調製品の輸入量は、2年連続で減少した(31万1千トン、前年同月比8.1%減)。タイからは前年度を28.7%上回る18万5千トンが輸入されたが、中国からは中国産冷凍ギョーザ事件などが要因となり、前年度比36.5%減の12万2千トンと、全体の輸入量減少に大きく影響を及ぼした(図3)。

 近年は国内で加工するより安価であること、また鳥インフルエンザの発生などから、16年度以降鶏肉調製品の輸入量が増加していたが、20年度は消費者の低価格志向による堅実な需要から、鶏肉輸入量が鶏肉調製品輸入量を大きく上回った。

 一方、食肉加工品の製造は海外に依存する割合が年々高まり、国内における食肉加工品の仕向肉量は減少傾向にあるが、日本ハム・ソーセージ工業協同組合「食肉加工品等流通調査」によると、鶏肉の加工仕向量は8年ぶりに前年度を上回る41,851トンとなった。内訳は国内物36,847トン(同1.5%減)、輸入物5,004トン(同52.0%増)と、数量は少ないものの輸入物が増加した。大量に抱える輸入品在庫の解消などが増加の主な要因と考えられる。

 今後の鶏肉輸入量に関しては、農林水産省は月平均3万トン台で推移すると見込んでおり、急激な在庫解消は望めないとしているものの、当面は安価な食材の提供として、輸入鶏肉の解凍テーブルミートや加工品仕向用として消費されることなどにより、在庫量の減少が図られることに期待したい。

図3 鶏肉・鶏肉調製品の輸入量及び鶏肉加工仕向量の年度推移

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