総務省の家計調査報告によると、平成20年度の鶏卵の1人1年当たり家計消費は、金額ベースで前年度を6.1%上回る2,833円となる一方、数量ベースでは前年度を0.5%下回る9,942グラムとなり、4年ぶりに前年度を下回った。
昨今の景気低迷を受けて、外食を控え内食・中食が増加傾向にある中にあって、鶏卵の家計消費量が減少した要因としては、価格の上昇が挙げられる。
20年度の鶏卵卸売価格は193円(Mサイズ、キログラム当たり)となり、減羽などに努め高水準で推移した16年度の205円(同)に次ぐ高値となった。これに伴い小売価格も高水準の227円(Lサイズ、1パック当たり)となり、物価の優等生と言われる鶏卵ではあるが、価格上昇の影響から家計消費量は減少する結果となった(図5)。
一般的に、気候が良くなる4〜6月の卸売価格は、産卵率が回復し供給量が増加するが、消費は気温上昇に伴い減少するため、相場は下落する。21年も4月は173円(Mサイズ、キログラム当たり、前年同月比10.4%安)、5月は167円(同14.4%安)と弱含んで推移している。
昨年度は飼料高による先高感から業務・加工メーカーの需要が増加し、需給バランスが大きく乱れるなど、需要サイドの要因にも大きく影響を受けた。農林水産省の「鶏ひなふ化羽数」によると、3月は9,419千羽(前年同月比2.2%増)、4月は8,824千羽(同2.0%増)と2カ月連続で前年同月を上回って推移している。増羽による価格下落の懸念が払しょくしきれないこともあり、現段階では昨年度並みの水準となるかは予断を許さない状況となっている。
図5 鶏卵の年度平均卸売価格及び小売価格の推移
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