在庫を取り崩すことで消費量の増加に対応
米国農務省(USDA)が発表した2009/10年度の世界の粗粒穀物需給見通しによると、2009/10年度の世界全体の粗粒穀物生産量は、記録的であった前年度を2.1%下回る10億7,450万トン、消費量は同1.5%上回る10億9,129万トンと予測され、消費量が生産量を上回るとされている。このため、期末在庫は前年度を9.2%下回る1億6,568万トンとされ、在庫率は同1.8ポイント減の15.2%と予測されている。
記録的となる米国の燃料エタノール向け消費量
粗粒穀物のうち、7割以上はトウモロコシである。このため、2009/10年度の世界全体のトウモロコシ生産量は、ほぼ前年度並みの7億8,146万トンであるのに対し、消費量は前年度を1.9%上回る7億9,454万トンと予測され、消費量が生産量を上回るとされている。この結果、期末在庫が取り崩され、期末在庫は前年度を9.4%下回る1億2,546万トンと予測されている。
米国の燃料エタノール向けトウモロコシ消費量については、前年度を6.3%上回る1億410万トンと記録的な数量が見込まれ、その一方で、飼料向け消費量は、同3.7%下回る1億3,080万トンと予測されている。
2009/10年度のトウモロコシの貿易量は前年度をやや上回る
世界全体のトウモロコシ貿易量は、前年度を4.3%上回る8,123万トンとされている。トウモロコシ輸出量に占める米国の割合は、飼料向け小麦との代替関係が緩和していること、世界全体で需要が拡大していることから、若干、高まる傾向にあるとしている。輸出国の中でもウクライナからの輸出量は、生産量の減少と国内の飼料向け消費量が拡大していることで、220万トンの減少が予測されている。また、輸入国では、メキシコと韓国の輸入量は、それぞれ前年度数量を50万トン上回るとされ、従来、輸入していた数量への回復が見込まれている。
世界全体の粗粒穀物需給
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