農林水産省が公表した「平成20年度チーズ需給表」によると、チーズの総消費量は、18・19年度は2年連続で過去最高を記録していたが、20年度は一転して前年度をかなり大きく下回る237,825トン(前年度比14.8%減)となり、10年前の水準(平成10年度234,050トン)まで落ち込むこととなった。
総消費量の内訳を見ると、直接消費用ナチュラルチーズが前年度を大幅に下回る132,535トン(同18.8%減)となり、プロセスチーズにおいても、105,290トン(同9.2%減)と3年連続で前年度を下回った(表、図4)。また、直接消費用ナチュラルチーズの8割強およびプロセスチーズの原料の約7割が輸入品であることから、国際相場の上昇を受けてメーカー各社が輸入量を抑制したり、小売価格を値上げしたことも需要の減退に追い打ちをかけたとみられる。 減少の要因としては、昨年秋以降の世界的な景気失速に伴う不況で家庭用や外食用の消費の落ち込みが大きく影響したものと考えられる。
このような中で、輸入ナチュラルチーズは、プロセスチーズ原料用がかなりの程度減少の59,051トン(同11.1%減)、直接消費用は大幅な減少の112,331トン(同22.5%減)と共に大きく減少し、この結果、輸入ナチュラルチーズ全体で171,382トン(同18.9%減)となった。
一方、国産に限って見ると、北海道のチーズ工場が本格稼働していることなどから、国産ナチュラルチーズ全体では43,082トン(同0.3%増)と4年連続の増加となった。このうち、プロセスチーズ原料用は22,878トン(同7.3%減)と減少したものの、直接消費用ナチュラルチーズは、20,204トン(同10.6%増)となった。この結果、チーズの総消費量に占める国産の割合はやや増加の19.4%と前年度と比べ3.0ポイント上昇、プロセスチーズの原料用は27.9%と0.8ポイント上昇とそれぞれ2カ年連続の上昇となった。
図4 直接消費用ナチュラルチーズの総消費量の推移
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