主要作物の生産量は微増と予測
タイ農業・協同組合省(MOAC)は、トウモロコシやキャッサバなど主要作物の2009/10年度の生産予測を公表した。これによると、主要作物の作付面積について、トウモロコシは前年度比0.8%減の663万ライ(約106万ヘクタール:1ライ=0.16ヘクタール)、大豆が同1.2%減の79万ライ(約12万6千ヘクタール)と減少するが、生産量についてトウモロコシは同0.1%増の425万トン、大豆が同0.1%増の20万トンと前年度よりわずかながら増加すると見込んでいる。MOACは、大豆の作付面積減少について、サトウキビなどへの転作による影響が大きいとしているが、生産量についてはトウモロコシ、大豆ともに生産に適した気候が予測されるため前年度を上回るとしている。このほか、サトウキビについては、作付面積が同4.9%増の655万ライ(約105万ヘクタール)、生産量は同5%増の7,625万トンと見込んでいる。
また、バイオマスエネルギー関連作物については、キャッサバ生産量が同1.7%増の3,031万トン、オイルパームが同1.8%増の943万トンと見込んでいる。MOACは、キャッサバ生産量の増加について、天候の変化に強いことに加え、生産者販売価格が2007年4月から2008年8月まで前年を上回って推移したことが、生産者の生産意欲を後押ししたとしている。オイルパームについても増収が見込まれているが、MOACは政府による増産対策により、作付面積の拡大などが順調に進んでいるためとしている。
表 主要作物の作付面積および生産量
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生産者価格は前年を大幅に下回る水準で推移
2009年4月の主要作物生産者販売価格は、トウモロコシが前年比18.9%安のキログラム当たり6.94バーツ(約20円:1バーツ=2.9円)、大豆価格が同14.8%安のキログラム当たり15.01バーツ(約44円)となり、いずれの生産者販売価格も、2008年夏以降低下傾向で推移している。
キャッサバやオイルパームについても、2008年9月以降生産者販売価格は前年を下回って推移しており、2009年4月はキャッサバが同49.3%安のキログラム当たり1.13バーツ(約3円)、オイルパームが同34.2%安のキログラム当たり3.18バーツ(約9円)となり、前年を大幅に下回っている。
現在のトウモロコシ価格は、キログラム当たり8〜9バーツ台で推移した2008年前半に比べれば低下しているものの、2008年10月以降、同6バーツ台で推移するなど比較的高水準を維持しているため、MOACは飼料需要の一部がキャッサバへ移行すると分析している。また、2008年9月以降、キャッサバ価格も前年を下回って推移しているが、2008年12月には22カ月ぶりとなるキログラム当たり1.1バーツ台まで低下した同月以降2009年4月まで同水準で推移している。MOACは、これにより前述のとおり飼料需要やバイオエタノールの原料需要が拡大するほか、価格低下に伴う競争力向上により、タピオカチップなどの中国向け輸出量が増加すると予想している。
主要作物の生産者販売価格の推移
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