増加するチョイス級牛肉の格付割合
米国の牛肉の格付けは、「肉質等級」による格付と「歩留まり等級」による格付のいずれか、または両方を選択して実施されている。2008年においては、米国の全と畜頭数の97.9%が連邦政府による枝肉検査を受けており、そのうち80.0%が去勢牛および未経産牛(以下「若齢肥育牛」という。)となっている。その若齢肥育牛については連邦検査枝肉の92.2%が「肉質等級」による格付を受けている。
「肉質等級」は枝肉の肉質と脂肪交雑の組み合わせにより上位から(1)プライム級、(2)チョイス級、(3)セレクト級、(4)スタンダード級など計8つの等級に分類されるが上位3等級で若齢肥育牛に格付けされる枝肉の9割以上を占めている。
米国農務省農業市場流通サービス局(USDA/AMS)によると、若齢肥育牛のチョイス級に格付される割合は図1のとおりとなる。これを見ると今年に入ってからチョイス級の格付割合は6割を超えておりその割合が高くなっていることが分かる。2月の第4週には1997年に現行の格付システムになってから最高となる63.2%を記録している。
この要因として次の2点が挙げられる。
(1)今年の冬は暖冬であったことから脂肪交雑が入りやすかったこと。
(2)昨年秋以降、トウモロコシ価格が下がったことから肥育期間が延ばされたこと。
ほかに、枝肉格付の機械化によりチョイス級の格付割合が高くなったとも言われているが、これはむしろ実質的な肉質の低下を招いていると言えるかもしれない。
図1 チョイス級格付け割合の推移
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