需給動向 海外

◆米 国◆

価格に現れない生産調整の効果


◇絵でみる需給動向◇


ブロイラー向けひな導入羽数は1年にわたって前年を下回る

 米国のブロイラー産業は、需給環境の改善に向けてこれまでほぼ1年にわたり生産調整に取り組んできた。米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が公表した「BroilerHatchery」によると、米国の主要19州におけるブロイラー向け週間ふ卵個数は、2008年3月終盤に前年同期を下回って以降その減少幅を拡大している。これを受け、ひなの週間導入羽数も同様に前年を下回って推移し、かつ減少幅も拡大してきた。

図1 ブロイラー向けひな週間導入羽数と前年比

ブロイラー処理羽数は8カ月にわたって前年を下回る

 ブロイラーの生産量は処理羽数と平均出荷重量の乗数となるが、処理羽数は導入羽数の減少を受けて昨年の9月以降一貫して前年同月を下回っている。一方、ブロイラーの平均出荷重量は2008年は前年を平均1.3%上回ったがそれを上回る処理羽数の減少により生産量は2008年9月以降前年を下回っている。 この生産減少には米国最大手のブロイラー生産企業であったピルグリム・プライド社が破たんした影響も少なくないと考えられる。同社の工場のいくつかは閉鎖されたり稼働していない状況となっている。

 同省経済調査局(USDA/ERS)が4月16日に公表した予測によると2009年第1四半期のブロイラー生産量は前年同期を6.8%下回り、以降第2・第3四半期は5.7%、4.3%下回るが、第4四半期にはブロイラー産業の需給環境の改善により、わずかに上向く(前年同期比1.5%増)としている。

図2 ブロイラー処理羽数と前年同月比

生産者生体販売価格は2カ月続けて前年を下回る

 USDA/NASSの「Agricultural Prices」によると、4月の生産者生体販売価格はポンド当たり45.0セント(キログラム当たり98円:1ドル=99円)となり前年を2カ月連続で2.2%下回った。USDA/ERSによるとブロイラー生産者の収益性は、昨年は春先から年末に掛けて飼料コストの増加から厳しい状況に立たされていた。

 ブロイラーの価格は生産調整の効果からわずかに回復するものとみられているが、まだその効果は現れていない。

図3 生産者生体販売価格と前年同月比の推移

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