農林水産省「牛乳乳製品統計」によると、平成21年3月の生乳生産量は、北海道が前年同月をやや上回る333,850トン(前年同月比1.2%増)、都府県がわずかに下回る356,820トン(同2.9%減)となり、合わせて690,670トン(同0.1%減)となった。この結果、20年度の生乳生産量は、7,944,091トン(前年度比0.1%減)となり、20年ぶりに800万トンを下回った。生乳生産量は平成元年度の806万トン以来800万トン台を維持し、ピーク時の8年度は866万トンに達していたことから、この12年間で1割近く減少したこととなる。(図6)これは、計画生産下、特に、18年、19年度における乳製品の過剰在庫対策による減産において、畜産環境問題、後継者問題の他、19年度後半からの飼料価格の高騰などを受け、主に都府県で酪農家が急激に減少したのが影響したと考えられる。
20年度の生乳生産量を地域別に見ると、北海道が3,909,058トン(同2.1%増)とわずかに増加したものの、都府県では4,035,033トン(同3.8%減)とやや減少となり、北海道のシェアが49.2%となった。
一方、用途別処理量を見ると、牛乳等向けが4,414,349トン(同2.1%減)と6年連続の下落となったのに対し、乳製品向けはチーズや生クリーム等向け生乳が増加したことから3,449,657トン(同0.5%増)と2年連続で前年を上回った。この結果、用途別処理の割合は、牛乳等向けが55.6%、乳製品向けが43.4%となり、乳製品向けは過去10年間で最も高い比率となった。
また、20年度の牛乳生産量は、3,464,266キロリットル(前年同月比3.2%減)とやや減少となった中、成分調整牛乳は283,596キロリットルと前年度を27.6%上回る伸びを示し、3年前では4.8%程度であった飲用牛乳等に占める成分調整牛乳の割合は、20年度では7.2%と前年度比1.7ポイントの増加となった。
図6 生乳生産量の推移
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