需給動向 国内

◆豚 肉◆

20年度の豚肉需給、堅調な需要も価格は前年度を下回る


◇絵でみる需給動向◇


 平成20年度の豚肉需要は、20年1月末の中国産冷凍ギョーザ事件など、食に関する安全安心を追求する高まりなどの要因から、国産品への引き合いが強まり、家計消費を中心に堅調に推移した。また供給面では、年度前半は卸売価格が高水準で推移したこと、またサーコウイルスワクチンなどの効果が徐々に発揮され、事故率が低下したことなどから、豚肉生産量は増加傾向で推移し、年度合計で882千トン(前年度比1.1%増)となった。

 さらに、輸入品は、国産品卸売価格の高止まりや、景気後退などの要因により、国産テーブルミートと競合する安価な輸入チルド豚肉の需要が高まり、20年度の合計は815千トン(同8.0%増)、うちチルドは273千トン(同14.5%増)となった。その結果、生産量・輸入量の増加により豚肉全体の3月末時点での期末在庫は、194千トン(同13.8%増)とかなり大きく増加した。

 このような状況を反映して、20年度の枝肉卸売価格(東京・省令)については、20年6月に602円/kgとなるなど、8月までは前年を上回って推移したが、9月以降は、輸入チルドの増加などから急落し、その後21年1月に378円/kgまで下落し、年度平均では、493円(同5.5%安)と前年度を下回ることとなった。

 21年度に入っても、景気低迷による内・中食回帰や低価格志向の影響をさらに受けて、牛肉より単価の低い豚肉は量販店が販売増を見込むなど、堅調に推移するとみられる。しかしながら、低価格志向の一層の高まりを受けて、高級部位であるロースなどの今後の需要の動向が注目されている。

図2 豚肉の生産量、輸入量及び枝肉卸売価格の推移


図3 豚肉の消費量及び期末在庫量の推移

 


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