農林水産分野における
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農林水産省 総合食料局 食品産業企画課 食品環境対策室 室長
谷村 栄二 |
1. 背景 ここでいう「見える化」とは、商品・サービスに伴う温室効果ガス排出量を定量的に可視化することであり、これにより、消費者による商品選択の際の一つの判断基準となり、より省CO2の商品・サービス選択といった消費者の行動が促されるとともに、事業者による商品の製造・運搬時などの省CO2化の推進が期待されます。 2. 農林水産省の「省CO2効果」表示指針 農林水産省では、農林水産分野における「見える化」の展開方向、具体化に向けた課題などの検討を進めるため、昨年7月以降、食料・農業・農村政策審議会地球環境小委員会などにおいて議論を行い、平成21年4月1日に「農林水産分野における省CO2効果の表示の指針」(以下、「指針」という。)を公表しました。 3. 今後の取り組みの方向など 省CO2効果の表示はあくまで手段であり、大切なのはこの取り組みを通じて農林水産業・食品産業由来の温室効果ガスの削減を効果的に進めることです。その意味でLCA注)手法を用いてフードチェーン全体で温室効果ガスの発生状況を分析し、原料生産者、食品製造業者、流通業者、さらには消費者といった関係者が認識を共有することは、今後、食品の生産から流通、消費に至るどの段階で温室効果ガス削減に重点的に取り組むべきかを明らかにできるという観点から意義があることと考えます。しかしながら、カーボンフットプリント制度などLCA手法に基づく温室効果ガス排出量を表示することは、算定される数値が流通経路や原料調達などに関して一定の仮定を置いたものとならざるを得ない一方で、食品に係る表示内容に対する消費者の要求も極めて厳格であるといった特徴があることを踏まえると、取り組みを進めるためには、(1)表示の意味や算定方法などについての消費者への普及啓発、(2)信頼性、汎用性、網羅性が高いデータベースの整備、(3)表示内容に対する信頼性を確保するための適切な検証システムの構築などクリアしなければならない多くの課題も存在しています。 |
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