需給動向 海外

◆豪 州◆

乳製品国際価格の急落を反映して生産者乳価の引き下げを実施


◇絵でみる需給動向◇


酪農経営に対する不透明感が拡大

 デイリー・オーストラリア(DA)は1月29日、2008年10月に続き、2008年度の酪農の現状および見通しに関するレポートの更新版を公表した。これによると、豪州の酪農は、世界的な景気後退に伴い過去に例のない急激な国際乳製品価格の下落に直面している。こうした国際価格の急落を受けて、豪州の主な乳業メーカーは生産者乳価の大幅な引き下げを公表している。このため酪農家は先行きに対する不透明感が拡大し、酪農経営に対する将来的な自信を低下させている。また、今後12カ月間の乳製品需給動向を予測することは依然として困難な状況にあるとしている。

2008/09年度生産者乳価は輸出向けと国内向けで価格差拡大

 DAによると、国内の大手乳業メーカーは、年度当初に設定された初期乳価から平均で12%程度(前年度最終乳価から27%)引き下げるとしている。ただし、今回の引き下げは、主に輸出向け乳製品の製造を手掛ける乳業であるため、ビクトリア州など豪州南部の酪農家がこの影響を受けることとなる。これに対して、飲用乳など豪州国内向けを中心とする豪州北部や大都市近郊の酪農家においては、2008/09年度の初期乳価が年度を通じて実質的に保証されている。この結果2008/09年度の生産者乳価は、仕向け先により価格差がさらに拡大するとしている。

 ただし、生乳生産については飼料穀物価格が低下していること、また、乾草価格が前年を大きく下回る状況にあることから、生産コストの低下が進んでおり、生産者乳価引き下げの影響は一部緩和される状況にあるとしている。

2008年12月までの生乳生産量は前年同期比2.5%増

 乳製品価格が2008年7月以降急落する中、豪州の2008年7〜12月の生乳生産量は、前年同期比2.5%増と依然として前年度を上回る状況となっている。DAでは2008/09年度の生乳生産量について、前年度比1.0%増の930万キロリットルと予想している。

 こうした中、大手乳業メーカーによる生産者乳価の引き下げ公表後の2009年1月には、酪農家が経産牛のとう汰を進めた結果、家畜市場への経産牛出荷頭数が急激に増加するなど、生産者乳価の引き下げに対応した生産者の動きも見られる。

牛乳生産量

2008年12月までのチーズ生産量は前年同期を下回る

 また、2008年7〜12月のチーズ生産量は同0.7%減の18万1千トンとなり、前年実績を下回る水準となった。この間、チーズ輸出量は、チェダー(同33.0%減)およびチェダー以外(同45.0%減)とも大幅に前年実績を下回っている。この結果、国内のチーズ需給は緩和基調が進んだとみられる。こういった状況を反映して、国内メーカーでは、在庫処分のため卸売価格の引き下げ競争を行っているとの報道もある。

チーズ生産量



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