輸出事例

世界に羽ばたく「宮崎牛」



農林水産省では、平成25年までに輸出額を1兆円規模に拡大するという目標の下、官民挙げての総合的な輸出戦略を推進している。こうした中、各地の畜産物輸出事例について、随時、本稿で紹介していくこととする。

 今月は、国内屈指の黒毛和牛生産地である宮崎県の銘柄牛「宮崎牛」について、「より良き宮崎牛づくり対策協議会」が行っているブランド化の推進などや(株)ミヤチクが行っている輸出の取り組みなどを紹介する。

黒毛和種の生産は全国屈指

 宮崎県は、国内屈指の黒毛和種の生産地で、約24万頭(平成20年2月1日現在)が飼養され、全国で飼養される黒毛和種の約14%を占めている。また、銘柄牛で有名な全国の産地にも、多くの肥育用素牛(子牛)を供給している。

厳格な審査に基づく宮崎牛ブランド

 生産者が自信と誇りを持って育て上げた「宮崎牛」を全国区にしたい。その熱い思いを実現するため、昭和61年度に、生産から流通、消費に至る県内の関係機関および団体が一体となって「より良き宮崎牛づくり対策協議会」を設立し、「宮崎牛」のブランド化の推進を図ってきた。

 「宮崎牛」は、宮崎県内で生産・肥育された黒毛和種で、(社)日本食肉格付協会が定める格付基準の肉質等級4等級以上のものとされている。

宮崎牛の特徴と「日本一」と称される所以

 「宮崎牛」は宮崎県の温暖な気候、清らかで澄みきった清流の水、そして、おいしい空気に育まれた宮崎の和牛の中で、最上級のものだけに許された称号である。

 その味は、甘く豊潤な香りを持ち、肉汁が口の中いっぱいに広がり、とろける霜降りの旨みが特徴である。

 「宮崎牛」の品質の高さは、平成19年に鳥取県で開催された5年に一度の「和牛のオリンピック」ともよばれる第9回全国和牛能力共進会で、最高の栄誉である内閣総理大臣賞を独占したことでも証明されている。

平成2年から米国向け輸出を開始、平成19年度の輸出量は28トン

 宮崎県では県内の基幹食肉センターである(株)ミヤチク(JAグループ)が平成2年、対米食肉輸出工場の認定を受け牛肉輸出が開始された。

 その後、平成13年にわが国で発生したBSEの影響から一時輸出が停止されていたが、平成18年、一部の国への輸出条件が整い、また、海外での和牛人気の高まりを受け輸出が再開された。

 平成19年度の輸出量は、28トンで米国および香港に輸出された。政策的に推進される農産物の輸出促進戦略も追い風となり輸出再開以降好調に推移し、平成20年度は12月時点で29トンと既に前年度を上回っている。

 「宮崎牛」は、全国の百貨店や食肉小売店で販売されているほか、多くの飲食店で提供されており、指定店は376となっている。詳しくは次のホームページをご覧いただきたい。
より良き宮崎牛づくり対策協議会:http:// www.miyazakigyu.jp/index.cgi
株式会社ミヤチク:http://www.miyachiku. jp/index2.html

大相撲力士への「宮崎牛」贈呈(平成20年1月)

 


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