財務省「貿易統計」によると、21年8月の鶏肉輸入量は、2万2千トンとなり、前年同月(4万9千トン)に比べ、55.5%減と大幅に減少した。4〜8月の累計輸入量も13万8千トンと前年同期を26.3%下回った。
これは、国産品の相場が低迷している中で、輸入量の9割以上を占めるブラジルからの輸入が、8月に2万1千トン(同55.2%減)、4〜8月累計で12万9千トン(同25.9%減)と著しく減少したことによる。
一方、8月の鶏肉調製品輸入量は2万5千トンと前年同月比2.9%と減少しているものの、最大の輸入先である中国からの輸入量は1万1千トン(前年同月比10.0%増)と前年をかなり上回った(図3)。
中国からの輸入量については、21年4月以降、1万トンを超えて輸入されており、年度累計(4〜8月)では5万8トン(同19.3%増)と21年6月以降、輸入量を増やしている。19年度以降は、食に対する安全安心や国産志向の高まりにより、中国からの鶏肉調製品は激減したが、中国国内での安全管理体制が整備されてきていることや、景気低迷を受けて消費者の低価格志向がますます強まっていることから、中国産に対する国内需要が回復しているものとみられる。
図3 中国からの鶏肉調製品の輸入量推移
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