6月の生産量は前年並みに回復
タイ農業 協同組合省(MOAC)によると、2009年6月のブロイラー生産量は、前年同の約7千5百万羽となった。ブロイラー生産量は、2008年1月以降おおむね7千5百万羽台を維持し、同年8月を除き前年を上回って推移していた。しかしながら、同年12月以降減少に転じ、上半期(2009年1月〜6月)は前年同期比8.6%減の約4億1千1百万羽となった。また、ひなふ化羽数は、2008年1月以降、おおむね7千8百万羽で推移していたが、ブロイラー生産量と同様、同年12月以降減少に転じた。しかし、2009年5月以降は回復し、6月のひなふ化羽数は、前年同月比0.1%減の約7千8百万羽となった。
MOAC畜産開発局畜産研究事務所によると、ブロイラーの生産量が2008年12月以降減少した要因は、EU向け輸出量の減少の影響とし、6月に生産量が回復したことについては、EUを含めた海外への輸出量が増加に転じたためとしている。EU向け輸出量は、2008年上半期は増加傾向で推移したが、中盤以降、世界的不況の影響を受けて減少していた。
6月の卸売価格(生体)は、前年同月比4.3%高のキログラム当たり38.5バーツ(約104円:1バーツ=2.7円)となった。卸売価格(生体)は、2007年3月以降前年を上回って推移していたが、輸出市場の不調を受け、2008年10月には前年同月比で10.7%下回った。その後も下落傾向が続いたものの、2009年5月には上昇に転じ、6月には価格が前年同月を上回った。この結果、2009年上半期の平均卸売価格(生体)も前年同期比9.7%安のキログラム当たり35.1バーツ(約95円)となった。
ひなふ化羽数とひな価格
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鶏肉調製品輸出量はわずかに減少
6月の鶏肉調製品の輸出量は、前年同月比0.6%増の約2万9千トンとなった。主な輸出先別で見ると、英国向けは同14.2%増の約1万トン、オランダ向けは同10.2%減の約2千5百トンとなるなど、国により状況は異なるものの、EU向けは全体として前年より増加している。一方、日本向けについては、2007年10月以降、1万トンを超える水準で安定的に推移し、6月も約1万トン3千トンとなったが、前年同月比では6.4%の減少となった。
また、輸出価格については、同2.2%安のトン当たり128,332バーツ(約346,496円)となった。
2009年上半期の輸出量は、約16万5千トンとなり、前年同期を2.2%下回った。国別では、日本が前年同期比2.0%増の約7万1千トンと前年を上回ったが、EU向けは、英国向けが同5.9%増の約5万3千トンと前年を上回る一方、オランダ向けが同34.3%減の約1万3千トンとなり、全体としては前年より減少している。鶏肉調製品の輸出先は、日本とEUで9割以上(日本向けは43.3%、EU向けは50.2%)を占め、このうちEU向けについては、英国とオランダの上位2カ国で8割を占めている。そのほか、シンガポール向けが同2.2%減の約4千6百トン、韓国向けが同16.1%減の約2千5百トン、香港向けが同3.9%減の約1千6百トンとなっている。また、シンガポール以外の東南アジア諸国向けでは、ベトナム向けが624トン、ミャンマー向けが146トンとなっている。2007年に輸出が再開されたアラブ首長国連邦には、33トンが輸出されているが、昨年の輸出実績48トンを下回っている。
鶏肉調製品国別輸出量(2009年1〜6月)
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