全農「畜産販売部情報」によると、21年9月の鶏卵卸売価格(速報値)(東京・M)はキログラム当たり188円と、8月の157円に比べ1カ月で31円値上がりし、6カ月ぶりに180円台となった(図5)。これにより鶏卵価格安定基金の価格差補てん金は9カ月ぶりに交付されなかった。
農林水産省「鶏ひなふ化羽数」によると、6、7月と2カ月連続で前年同月を上回って推移した後、8月は681万羽と、前年同月7.6%下回った。4〜8月の年度累計では、4168万羽と前年同期を1.4%下回った。今後、冷涼な気候を迎える中、生産量は増加傾向になる。
農林水産省が9月に開催した「全国鶏卵需給連絡会議」でも、外食を中心とした需要や、マヨネーズなどの業務・加工用需要の落ち込みが今後も想定されるとしている。21年6月に農林水産省が行った生産意向調査結果を羽数換算で見ると、大規模経営を中心に増産意欲があり、総計で100万羽の飼養増意向があることが分かった。
これらのことから卵価安定、経営安定のためには、さらなる相応の減産が必要になるという意見も出された。
図5 鶏卵卸売価格(東京・M)の推移
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