需給動向 海外

◆豪 州◆

2009/10年度の生乳生産量は、過去12年で最低となる見込み


◇絵でみる需給動向◇


2009/10年度の生乳生産量は、前年度比2%減の見込み

 豪州農業資源経済局(ABARE)によると、生乳生産量は、2008/09年度(7〜6月)が前年度比1.8%増の938万8千キロリットル、2009/10年度が同2%減の920万キロリットルと見込まれている。2009/10年度は、2年連続した干ばつの影響を受けた2007/08年度の生乳生産量922万3千キロリットルをも下回り、過去12年で最も低い水準である。ABAREは、生乳の減産見込みの要因として、平均生産者乳価が、国際乳製品価格が低水準であることを反映して、前年度比22%安の1リットル当たり33豪セント(27円:1豪ドル=81円)と見込まれ、生産コストをカバーできず、今後、経産牛頭数の減少も予想されることを挙げている。

図1 生乳生産量および生産者乳価の推移

乳製品生産量も減少の見込み

 2008/09年度の主要乳製品の生産量はチーズを除き増加したが、2009/10年度の主要乳製品の生産量は、生乳の減産見込みから、前年度に比べ軒並み減少するとみている。品目別に見ると、バターは前年度比10.8%減の13万2千トン、脱脂粉乳は同9.4%減の19万2千トンと大幅に減少し、一方、チーズは同0.3%減の33万9千トン、全粉乳は同1.4%減の14万6千トンとわずかな減少にとどまるとしている。

乳製品輸出額も、過去12年で最低の水準と予測

 2009/10年度の乳製品輸出は、景気の底入れに伴い新興国においては需要回復の兆しが見られるものの、日本などの主要輸出市場においては需要回復に時間を要すことから、各品目とも減少するとみられている。また、米国、EU諸国における政府買い入れ在庫の過剰などから、国際乳製品価格は、引き続き低水準と見込まれている。その結果、2009/10年度の乳製品総輸出額は、前年度比23.8%減の20億4100万豪ドル(1653億円)とこの12年で最低となると予測されている。品目別に見ると、バターが前年度比37.1%減の1億4600万豪ドル(118億円)、脱脂粉乳が同30.4%減の3億8500万豪ドル(312億円)、全粉乳が同25.3%減の3億5500万豪ドル(288億円)、チーズが同22.2%減の6億1900万豪ドル(501億円)と見込まれている

乳製品生産量、輸出額などの予測

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