農林水産省「牛乳乳製品統計」によると、平成21年8月の飲用牛乳等の生産量は、30万8千キロリットル(前年同月比3.8%減)と20年3月以降前年割れが続いている。このうち、牛乳においては24万7千キロリットル(同12.0%減)と25万キロリットルを下回り、2カ月連続で前年同月比2ケタでの減少幅となっており、17年以降20年末までは、前年同月比を平均3%前後下回る傾向が続いたが、21年1月以降減少幅が大きくなっている。
牛乳生産量の減少は、牛乳より割安な成分調整牛乳を選択する消費者が増えてきているほか、少子高齢化による需要の減少やペットボトルの茶系飲料との競合など減少傾向が続く要因とみられる。
一方、シェアは小さいものの加工乳・成分調整牛乳は6万1千キロリットルと前年より54.4%増加し、このうち成分調整牛乳は4万4千キロリットル(同78.2%増)と引き続き大幅な伸びとなった。はっ酵乳においても、7万キロリットル(同3.6%増)と21年4月以降おおむね前年同月を上回って推移している。
また、乳飲料を見ると、11万6千キロリットル(同1.2%増)と20年3月以来17カ月ぶりに前年同月をわずかに上回った。これは、消費者の低価格志向に加え、脱脂粉乳の在庫が増加する中、その消化促進の動きが出ていることなどが要因と思われる(図4)。
現在、収穫の秋を迎え、各地において牛乳の消費拡大キャンペーンなどが盛んに行われている。牛乳の持つ優れた機能性などの正しい知識の普及が牛乳離れに歯止めをかけることを期待したい。
図4 牛乳及び乳飲料の生産量推移(対前年同月比)
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