農林水産省「食肉流通統計」によると、平成21年6月の豚肉生産量(部分肉ベース)は、前年同月比10.2%増の7万3千トンと前年をかなりの程度上回り、4カ月連続の増加となった。
さらに、農林水産省食肉鶏卵課が7月末に公表した「肉豚生産出荷予測」によると、7月の肉豚出荷頭数は前年並みの127万5千頭、8月は前年同月を6%上回る127万7千頭と予測されている。サーコウィルスワクチンなどによる事故率低下の効果に加えて、今年は冷夏による天候不順もあり、当分増産傾向が続くのではないかとみられている。
一方、6月の冷蔵豚肉の輸入量は、米国は12千トン(前年同月比12.8%減)、カナダは4千トン(同23.0%減)、メキシコなどのその他の国は600トン(同53.5%減)と大幅な減少となった(図2)。国内生産量の増加を反映して、豚枝肉卸売価格が低下し、需要が国産豚肉にシフトしたことなどによるものとみられる。
こうした中、国産品の推定期末在庫は、4月以降およそ3万トン台で推移しており、6月は2万9千トンと、前年同月比29.4%増と前年を大幅に上回った。また、輸入品を含めた推定期末在庫量も、4月以降増加傾向にあり、6月末で20万トンを超えている。輸入は落ち着きを取り戻したものの、国内生産は増加が見込まれるため、在庫量の削減に向けた取り組みが課題となっている。
図2 冷蔵豚肉の国別輸入量の推移
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